S氏定先難解局

        この碁は序盤右下で驚きの振り変わりが起きます。最後は左上が戦場となり

        双方利得を探り合いながらの攻防。振り変わりでヨセになり微細勝負へ。

        先ず一番の難解場面、後半から画像で検証してみます。

黒振り変わり選択・ヨセ勝負へ

   左辺白黒1コスミツケ、白2。左辺黒数子は捨てて中の白数子を獲得。

   意外な展開で白が儲けたと思いました。ただ実際は微細。白20までヨセ進み

   結果は白が少し残りました。黒1で左辺頑張る図を検証してみます。

タケフ頑張りあり・これは黒良し

   黒3タケフを予想していました。白4を急ぐのは黒5オキを喰らいます。

   白一子取られて生きられてはまずい。白4では・・・

得失微妙・実戦との比較

  こうなりました。冒頭実戦と比べ左辺白地6目減となっています。ただし

  白14シボリ喰うのは黒損。どちらが勝るか・・・微妙です。

コスミツケの変化

 実戦は2ブツカリでしたが黒1コスミツケもありました。白2~4となる。

 続いて黒のシノギですが黒5か。白6を誘い黒7に石を持ってきて白8なら

 黒9、11で先手一眼作り黒13オサエまで。生き方は先ず先ずだが二子取られと

 中の黒地具合。こうなれば実戦と比べ得に見えます。

中国流からの飛躍二間トビ

                         黒9二間。誰にも真似出来ないS氏の棋風。中国流は

            大きく広げ相手の突入を待つが流儀。浮かんだ白10

         勝負。もし黒aと応じたら白イ、黒ロ、白ハで満足。     

普通は一間受け

        黒1一県が普通と記憶しています。白2、4で一段落。

        以下は軽めの想定。黒5はS氏なら先に黒7かな。

        黒a分断が後の黒の狙い。互角だと思います。

ケイマから分断。戦い必至・・・かと

予想した図

        黒1白6が予想図。白イ黒ロ白ハは白の楽しみ。

        左上黒Aが戦に関しどのくらい役立つかポイント

仰天のアテツギ

        指導碁で驚いた手いくつかあるが序盤ではベスト1かも。

          黒1、3のアテツギ。驚きましたが意味ある。

        その発想浮かんだことに先ず感心。白応手は二通り。

 白1選んだ場合の想定図・ほぼ互角か

        白1連絡には黒2トビが良い手となります。×断点あるので

        白3、黒4と進む。以下白9まで想定。二つ前の図と比べ

        少し白良い感じだが隅の出のほうが勝ると実戦は・・・

振り変わりの判定( :  )か。

       黒6までの振り変わりに。心の中では7:3で白良しとの評価。

       しかし黒2、4突き抜きの凄さをあまく見てはいけない。

       今の判断は白良くても6:4くらいかと思います。白7は同点が

       黒の好点に思え打ちました。黒8は流石S氏。そこを白が占めると

       上下の黒が連動せず薄くなります。白9カカリの時に・・・

右辺補強も価値あり・白への狙い

        黒1と補強されるのが気になりました。白2両ガカリと

        なるのですが一段落したときに右下には黒aサガリ

        楽しみになる。白放置すると黒イ、白ロ、黒ハで二眼

        ありません。少し遠いけど狙いは狙い。

        ◆振り変わりで左の黒より厚いとは言えない理由です。

魅力ある手厚さ

        後半棋譜を少しお見せします。私の眼にはぬるい手と

        思う手いくつかあるのですが厚さなのか遅れていない。

        何事もなく終わると黒がガッチリ勝ちそうな形勢です。

        右下のワカレは五分五分か黒少し良しなのかもしれない。

        お疲れ様でした。中国流体感久しぶりでしたがプロでは

        羽根泰正九段が今も打たれています。Sさんもいろいろ

        模索されて本当に意欲的。見倣いたいと思いました。

        次は桜が話題になる頃に。お待ちしています。