大会出場された皆様お疲れ様でした。画像をたくさん撮ったので有益な題材を
選び紹介していきたいと思います。取りあえず決勝戦を。先ずBクラスから。
手前白の坂爪五段、お顔見えているのが黒の島五段。時計によると現在白番。
いったい何がどうなっているのか認識するのが大変ですね。取りあえず
この場面から検証したいと思います。
持ち時間40分だとこの時点では双方多くは残っていない
でしょう。正確に分析し最善手を選ぶのは至難ですね。
下から中の白×は黒Aで死んでいる石。でも右の黒×一団も
目が無く死んでいるよう。しかし右下黒Bが不気味な存在。
右上黒×三子は取られているけどノゾキ味がある。また左上の
白×も隅へ何かないか。一番問題は左辺白△。黒番で大丈夫か。
◆手所多く面白そう。じっくり検討してから解説します。
第一感は右下白1連絡。これで黒一団を完全に仕留め隅の黒にも
生きは無し。白地はかなり多く黒は下辺だけでは対抗出来ない。
左辺取りに行くはず。黒10が一番厳しく見えます。局後検討だと
白死にそうな感じあったが現実には白11、13から白17までシノギ
ありそう。でも実戦だとどうなるか。左辺生死が勝負ですね。
左辺白1と手入れするのはどうなるか。黒2サガリが好手。
辺連絡と隅の白の攻めを見ています。ここで死んでいるが
白3ツギが意味深な手。今なら黒4。そこで白5が黒連絡を
防ぎつつ左へ白×分断を見た一石二鳥手。黒6と応じたら
白7と守り隅の白は安泰します。ただし黒6では・・・
白5を無視し右下隅黒6の可能性あり。白7でせっかく
取った白を黒×七子取られ生還されますが黒8、白9を
交換しお返しは黒10。死んでいた黒一団が白△を取って復活。
なお白イは黒ロで打てず。中黒への影響はありません。
◆振り変わりは黒が得で形勢も良さそう。よって白の最善は
候補①一線連絡と結論します。
この時点では白の坂爪さんが分が良いですね。少し前の画像も
あるのでその時はどうだったか振り返ってみます。
12手ですが画像右下に注目。島さんの黒一間トビに坂爪さんの白コスミツケ。
この手は普通受けよりも隅頑張る意志。次の黒の手を見て方針を決める。
黒1サガリ、白2受け、黒3カケと進んだと推察。続いて
実戦は白△動き出したよう。それもあるが左辺ワリウチを
白4と二間にヒラキたい。黒5にさらに二間でゆっくり。
黒イ、ロが少し上辺偏っていると見る。互角だと思います。
左上で白に誤算があったようで白二子持ち込んだ形。他は双方先ず先ずなので
その分黒良い形勢と判断します。今。白二個を黒がボウシしたところか。
向こうの白も治まっていないので島五段ペース。
ボウシに白ケイマ、黒カタと進行し白オシた所でしょう。左辺との絡みが黒の
目的です。豪腕島五段と柔軟派坂爪五段は初対局。この後、坂爪さんは真正面から
堂々と対応されたよう。それが次の画像に表れています。
このようになりました。分断成功で見た目は黒良く見えます。この場面は
観戦していたが次に白は下を補強されました。対し黒は応じたがために
右の黒も分断され乱戦へ。ここは島さんへ次の図を伝えたい。
白△補強は辛抱良い。対し黒イと応じ白ロ、黒ハが実戦。
この数手で流れが少し白へ移ったと思います。ここは
じっと黒1ノビが最善手。中央黒も薄いので補強する。
白2、黒3は左下隅生きているので気にしない。下は
黒イでなく黒ロを狙いとします。中を黒1と打つ利点は
左辺白を攻めたとき白aに黒bと強く打てること。
◆私だと白△と守る前に中央白1とハネ出しそうです。
◎決勝戦にふさわしい熱戦でした。優勝した坂爪五段本当に
おめでとうございます。島五段は惜しい内容だったので次回
頑張りを期待します。お疲れ様でした。