T氏三子局

     11月2日の幽玄の間指導碁。開始時間はPM10時30分。初の方でT氏。

     序盤圧倒されました。先ずその盤面を。

薄い連絡の姿・黒断然良しの序盤

      黒地荒らしたけど白×三子取られ右の黒は頑丈な強石、左の黒も

      すこぶる厚い姿。逃げる過程で右辺方面の白模様化の夢も消滅。  

      白△も薄い連絡で分断残っています。ここで左上をシマリで

      「中をどうぞ繋がり下さい。」でも黒十分でしたが・・・

黒模様突入しサバキ求めたが抵抗受け重くなり遁走

    右下のワカレは白が少し良さそう。左下黒30は堅ツギを予想し入らずに 

    左辺打つ予定でした。下辺右黒に断点具合あるので白31はサバキ容易と

    思ったが黒40、42が実戦的好手でひたすら遁走する羽目になったのです。

厳しい追及だが一着惜しい手あり

     黒1はキカシて重くする意図。大きな尻尾だが捨てて局面打開と

     白2カカリですが黒3が厳しい。本体ごと取られては堪らないと

     白4、6で繋がった振りですが黒7追及が辛辣できつい。ただし

     黒11までの進行は苦しい中でも希望見えました。それは黒9です。

単ワリコミが強烈

     単に黒1ワリコミだと柔道だと一本に近いポイントでした。逃げるため

     多大な犠牲【ひどいポン抜かし】か『大裂かれ突き抜き』となっていた

     のです。実戦でも楽ではないけど頑張れるとの仄かな光明見えた瞬間。

     

白の勝負手・頑張り過ぎは危険

     競り合い切り結び左上黒1とオサエた所。常識は白7ツギですが

     形勢打開遠いと感じ白2ツケは勝負手。T氏は堂々黒3、5と応じ

     白6、黒7、白8と双方切り結び合いと進行。これは変化膨大。

     黒も白も頑張り過ぎると危険。最善・最強の道を選ぶのは難解ですが

     振り変わりで黒が良い図を探したい。先ず黒3で簡明策ありました。

あっさりと味残しの捨て石策

     白ツケに相手せず黒1切りだと簡明でした。白2連打には黒3抜きが

     聡明手。黒4切りがきついので白4が相場。そこで黒5と左辺荒らす。

     白6で振り変わり。互角に見えるが右上の黒カタが遊んで不満かも。

     ◆ならばもう数手遡り右のカタを活用する打ち方を伝えましょう。

隅放置で上辺補強し急所へ

      隅コスミツケはせずに黒1と二子補強する案は如何。白2は無視し

      黒3急所へ。この展開は前の黒Aカタが活きます。

      さて切り結び難解図からどう打つのが良いか。次回示します。