研究会にいらした小林三段は池袋教室で野波三段と切磋琢磨されている
碁友達です。棋風は堅い碁の野波さんとは真逆で守る前に攻めるが信条。
最近は守りを覚えて来たが本局強気手がいくつか出ました。では開始。
「黒16は良くないですか。」と小林さん。10年前だったら私は悪いと
伝えていたと思います。今は研究である手と見解されています。ただ
『白17フクラミにコウを怖がらない』が条件。とにかく切るのです。
黒1と必ず切って下さい。
対し白応手はツグかコウにするか二つに一つ。プロ同士では白2とツグ
ことが多く黒3と実利を得て白4アテという実戦例あり。白△は陣笠形
なので見た目は良くない。次にこの配置だと黒5と打ちたくなる。
白の根拠を黒1、3で奪っていると考えるのです。ただ六子局なので
黒5は厚い黒aでも良い。それと互先ではあまいと言われますが・・・
白2とツイだら黒3とノビるのが相当有力。白は取らざるを得ない。
白4、6に黒8もあるが柔らかく黒7がお勧め。白8を待って黒9と
固めます。白安心黒安泰という進行は簡明。60目勝ち目指す必要はない。
置き碁で黒1と切る方が少ないのは何故か。それは白2とコウにされる
のが嫌だから。確かにコウ立て探しや白コウ立てへの受け方など煩わしい
面あります。でも『負けて得するコウ』と考えて下さい。黒3抜きに白4と
コウ立てしてきたら『ラッキー」と心で呟きましょう。それは白4、黒5の
交換は黒を強化する損なコウ立てだから。続いて白がコウを取りますが・・・
白6コウ取りに黒はコウ立てせず黒7ノビがお勧めです。白は調子狂い
がっかりするかも。それはコウ争い好きだから。白8と抜くけど後手。
黒9の流行手も良いですね。『自由に好きな場所へ打てる。』その為に
『切ってコウにする』と考えると怖くなくなる。如何でしょうか。
先ず褒める手から。左上白三々に先手取って黒6と『二目の頭』を
ハネたこと。白7ハネ返しにオサエず黒8ノビ切りも素晴らしい。
白9補強に黒10ボウシも方針が一貫しています。
苦言は打ち忘れですね。左上黒イ、白ロは定石。決めておくべき。
右上白1は眼形得ようが目的。素直に受けていますが一手あまい。
前と同じ意味の手でアテ一本のキカシの打ち忘れ。正解は次の図で。
黒2(a)とアテて白3ツギを待って黒4とツグ調子です。白5切りは
黒6で白7と後手になるのがアテ一本の効果。
左上も定石思い出し黒8、白9を決め黒10ボウシが好点。白11に黒12と
中央開拓に努めます。上辺▲ノビ切りが輝いていますね。
まさに小林さんという手を最後に紹介します。嬉しくて画像に残しました。
黒がどこに打ったかというと中央切り。下辺でポン抜きし安心していたが
下の白一団は未だ二眼ない。上の白二子を取られたら中央が凄い黒地に
なるでしょう。相手が上手でも臆せず分断する姿勢良いなと感じました。
◎結果は白の策動が巧みで成功しなかったけど小林さんが守り一辺倒に
なったら良いものが色褪せます。勇猛さを持ち続けて下さい。
前回大会は上手に勝利し勝ち越しは立派でした。今度の大会も頑張って。