石原氏長南さんも認める実力者。棋風は石の効率への求道者のイメージで
捨て石含むキカシやサバキも持ち味。本局まさにそれでした。ただ分岐点で
実戦よりも氏らしい派手な振り変わり選んでいたら・・・先ず画像から。
左上のコウを白が勝ち、右辺は黒がかなりの利得得る振り変わりとなりました。
これでも十分派手ですね。白番で左辺黒を攻め立てて行き主導権は白が握ることに
なる。形勢は黒が良いけど少し打ち易くなったと感じました。この少し前に・・・
コウ争い続いていたが左下白コウ立てに左上黒1とコウを
抜いて解消する選択ありました。白2で左下隅黒は 全滅。
前の図と比較し左下の得失は40目超します。コウに勝った
左上黒利益は?確定地は約25目。ただ厚み20目は超えると
思います。未知数ですが夢あり。それと右側にはどちらが
先着するのか。この図の方が石原氏棋風らしく感じました。
左上で早くもサバキ手法の黒10、12ツケ切り。前にも
打たれた記憶あるが愛用されています。白4カカエに
黒5アテ。白が抜くかツグか伺うのがその意図。
◆実戦の前にツケフクラミ手段について触れます。
黒1ツケフクラミですが白2とアテられます。勢い
振り変わりになるが白は実利多く厚い石、黒は白一子
裂かれ形にしたけど実利 乏しく攻められ兼ねない姿。
よ~いドンでの序盤でツケフクラミは賛成しません。
このような図を想定していました。ゆっくりした局面は
石原氏持ち味が出にくい意味あります。これと比べると
実戦ツケ切りに白1ツギは黒2に白3が絶対。一応
白厚くなったがキカシに満足し右上黒4とシマる。
左上▲に断点あるが白イは黒ロのコウ弾力あり軽い。
黒の言いなりで不満と見たが・・・次に白A~Dの
どれかを選びゆっくりしこれはこれで一局ですね。
◆実戦は解消や決行が難しいコウ勃発。忙しい展開へ。
気合の白1抜き。黒2アテは絶対だがツグつもりなく
白3アテが目的。対し黒は死んでもツギは打てない。
『双方ツグのは辛い』【コウに負けても他で利益を】という
コウ争いになりました。負担度に触れますと元々は白の
勢力圏なの白少し重く白が負けたくないコウとみます。
白5カカリに黒aとツげば即、コウは終了でしたが・・・
黒1ツギ。形は陣笠でなく梅鉢なので悪くなく厚い。
ただ白2両ガカリと進む。左上ですが白イのカケツギが
白ロを含み結構辛い手となります。
簡明ですが石原氏好みではなさそう。
この碁の序盤一番のポイント左上のコウでしたが二番は
左下折衝。弱かった白一子が厚く強い存在になったのが
実戦。ために左辺黒が弱くなり左上のコウ争いは黒にも
負担度が増す展開に。白ツケ切りへの対応が大事でした。
◆実戦は先に黒3ノビでしたが隅のこちら側に黒1が優。
白2なら黒3とノビて白重そう。以下想定ですが左上の
コウよりも左下が主問題になる。こうなれば黒良し。
白1腹ヅケは手筋ですけど黒2、4が強抵抗。白5逃走より
なく黒6とオシてから8と生きるのが賢い。以下戦いになるが
二つ弱石抱え白苦しい旅。もう左上aの問題が小さくなります。
お疲れ様でした。今回も中身濃き一局。全部解説したら膨大な量になりますね。
また来月17日に。今年最後の指導碁も白熱した内容を期待しています。