S氏九子局・見事な内容

立派な立ち上がり

     白1、3はS氏に初ですが黒4、6は白サバキ拒否し良き対応。

     白7二間トビに黒8は攻める積極性感じ良し。(別法は次図で)

     白9~12まで白治まったけど隅の二間が固まり黒は嬉しい進行。

     黒14ツメは攻める意思ですが左の二間がバランス的にお勧めです。

     白21に黒22逃げは仕方ないが白23ツケに黒24トビは好手でした。

     一般に『ツケにはハネかノビ』ですが稀に【トビ】が効率良く

     働いていることあり。効果は白はこの部分手が出しにくいこと。

天元連絡で両睨みがベスト

    黒aよりお勧めなのは黒1と天元連絡する手。左右の白攻めを睨んで

    います。白△を白2と逃げても黒3で黒イとロが役立ち脱出不能

    続いて実戦と同じく白4、6なら黒7アテ一本で左下黒11へ回ります。

    図にすると一目瞭然。今度は白×が寂しいですね。

    黒アテ一本は放置し白bと打たれるより隅の地がお得。

本手だが左辺がベスト

     好手黒1に白2と転じました。黒3、白4と進みここで黒5と手を

     戻されました。この手はぬるい。ただし味良く無駄でない。いずれ

     近くに白石が来ると必要になります。『白の楽しみを未然に防ぐ』

     のはとても良きこと。実戦は左辺白に打ち込まれ忙しくなったので

     今はそこを守ったほうが打ちやすかった。

     左上黒13ハネ出しは珍しい手だが結果捨て石にして中央黒19まで

     脱出し先ず先ずの進行。

黒分岐点:A・B・Cどれが良いか

     黒3と転じたが黒5と手をかけた方が安全でした。白4から迫って

     白10策手。素直な黒11に白12分断と白の狙い通りの進行です。

     全部の黒石連絡は不可。黒A・B・Cどれを選びますか。

振り変わりは白得だが簡明局面へ

    黒1(前図A)が好手でした。白2、黒3と双方×を取り合う振り変わりに

    なったが白4や白6、8と左辺大きな白地にしたくなり二つの三々狙いが

    無くなったのが実戦。白7:黒3の振り変わりだけど黒に利得あるのです。

    それにしてもS氏素直に自然にうまく打っています。さて中央です。

    白24オサエに天元黒Aをそうするか。逃げるか黒イやロと切って戦うか。

    ◆実戦は見事な打ち回しを魅せます。

九子卒業近し

     最強の黒1切りから黒3トビでした。白4でワリコミ匂わせたが

     黒5、7、9としっかり対応されています。検討で「黒7はノビが

     良かったでしょうか。」とありましたがその通り。実戦は白の眼が

     少し作りやすくなっています。白10ノゾキに黒11ツギ。白12に黒13

     と素直対応だったので白18までようやくの生き。しかし白辛かった。

     黒19と右下へ転じたのも良きタイミングで勝勢決定。もしかして

     白を取る手段あったかもしれないがヨミ切れないとき取りに行くのは

     危険。『優勢な局面では後手で小さく生かし好所へ向かう』は賢明です。

     お疲れ様でした。今度はアドバイス一切なしで打って見たい。その内容

     結果次第では一子減らし八子昇格検討します。よろしくお願いします。