下じょ会・O氏三子局

     O氏はその時機になるとご自宅で碁会を開き碁仲間と楽しまれています。

     一切妥協せずの棋風は全く変わらずストイックな方。その集中力は

     魅力あります。ただ上手に考えを利用されることも多いので少し柔も

     取り入れつつ高見を目指して欲しい。序盤早々の8線手に注目。

夢ある黒8線手へ白挑戦手

        白7三間は割と使用します。即黒8は珍しい。対し一間

        受けなら堅いけどキカシと見られるのが嫌で白9と対応。

        あまり良い手ではないが手抜きさせじが目的。すると

        黒10!これは初見。普通はオサエです(次図参照)でも

        白7の頭にツケなど残るので黒8を軽くとの発想。今後の

        打ち方次第でしょう。第8線手どうなるのか夢あり。

        ◆左上白21まで一間バサミ定石。黒22は人気高き位の手。

        そこで白23と中の隙間を突いていきました。

『戻しなら普通』黒良き姿

        黒1を示したら意外そうな表情。重く見えたのでしょう。

        この手は厚く柔軟性あって白イ、黒ロ、白ハには黒Aが

        主の受けです。白Bから分断されても下の白薄く黒が

        強く戦える。危ないと感じだ時は白ハに黒Bと受けて

        隅黒一子捨てても悪くない。▲から黒1は良き姿です。

白失着・中のオサエ価値大

         白1は煩い手。黒2対応にいったん止めて左上白3と

         揺さぶる策戦。対し黒4は意味深です。白に調子を

         与えぬ意図だが微妙。中の黒10に白11と左辺に拘った

            ため後手になり黒20オサエが大で見事咎めています。

         白21で簡単治まりと思ったときに黒22。鋭いヨミですね。

白の採るべき道

        中央白1は絶対でした。×を腐らせるのは大きく続いて

        白5まで想定ですが白イ、黒ロは少しキカシた感じです。

白一団へ黒全力集中場面

        白1、黒2のとき白3と頑張ってみました。すると

        やはり棋風通り黒4、6や黒8と最強に迫ってくる。

        白は息つけないので大変ですが別法を伝えます。

新天地勝負の発想(参考に)

        黒1ツケが相当有力でした。白2で眼形は与えますが

        外進出がしにくいので一つ白4スベリで様子見しそう。

        対し黒5、7と無視し新天地へ。白8は意地と気合だが

        黒9二間で夢ある大模様出現。柔の発想でした。

隅で代償得れば先ず先ずの成果

        左辺ハネ出しは勢いだったが流石に隅を打つのは無理と

                  白1遁走。瞬間黒2ツケは鋭い。ここまでが実戦ですが

       続いて取りあえず黒4三々に打つべきでした。

       左下白石動くと苦しいので捨てたかもしれないが実利大で

       攻めの代償として先ず先ずの成果だったでしょう。 

       ◎本局振り返ってO氏へアドバイス伝えたい。

       序盤~中盤始めには:第一目標(本局では左白一団の攻め)

       力入れ過ぎず何か他の第二目標(右下打ち込み・右上大場など)

       他の利得で進める可能性を探してみる柔軟策を試みて下さい。

       相手の打つ手・対応を見ながらの駆け引きとなるのでその分野も

       簡単ではないけど徐々に取り入れ幅を広げますように。

       ◆来月も可能だと嬉しい。これからも下じょ会よろしくお願いします。