N氏惜敗局(序盤圧倒)

        暫くお休みかと思っていたN氏から嬉しい申込み。

        本局何と題名つけて良いか迷いました。圧倒していた

        内容で 黒の会心勝利となっておかしくなかったのです。

        一手の大ポカがあまりにも大きかった。では序盤から。

穏やかな序盤から一転

        黒17までは珍しく穏やか。白18打ち込みは黙って白26の

        二間が相場でした黒19カケが好手。出切りは仕方ないが

        黒を厚くしています。黒27は黒aなら穏当。それで白aと

        打って捨て石作戦したのが実戦だが性急だったです。

 白は捨て石策から打ち込みとの構想だが

        白×を捨て石にし△厚み築き白1打ち込みで黒イを攻めて

        打てるという構想でした。安易な黒aトビなら白bから

        攻め立て右辺白gも有力になる。しかし聡明なN氏は・・・      

早治まり策が最適

        黒2コスミが良い手。オシは重いので白3ケイマだが

        黒4、6出切りが明るい。早治まり目指すは棋理に

        沿っています。△厚みを活用させないとの意図。   

手筋風のツケはコスミで困る

           一瞬単ツケ白1が浮かんだが黒2という返し技あり。隅で

         生きはありますが目的挫折で良くない。

切込み好手で参った

        白1利きから白3ハサミツケが一応は手筋。しかし間髪入れず

        黒6切込みが好手。ここまでほとんどの手がノータイム。

白駄目・黒良過ぎる

        素直に白1と取るのは黒4まで。何も打っていない。

        白5も省けないのでは黒良過ぎます。

成算無きコウ仕掛け

        コウを選んだけど全く成算無かった。黒に譲られても

        悪いことに気づき嫌になりました。

コウ譲って断然黒良しでした

        Nさんが少し考慮時間取れば黒2ツギを選んでいたでしょう。

        隅生きても二子取られたら悲しいので白3とツグ予定でした。

        しかしコウを譲る黒4~8が聡明。白9と快勝したときに

        黒10トビまで勝利宣言ですね。白×意味不明石。

        ◆N氏長所は頑張る所。でもここは『肩の力抜く』が良かった。    

実戦:黒最強に近い頑張り

        上辺にコウ立てし三連打。その代わり右下黒は弱体化です。

        白13に軽く捨てても打てるが黒14と担ぎ頑張る。私も

        エキサイトし攻め立てますが今日のN氏はシノギも巧み。

        白39に黒40、白41に黒42と緩まず最強。一見やり過ぎに

        見えたのですが・・・それは白だったのです。

ハネれば痺れていた

        実戦白1抜きにもし黒2と三子ハネられたら「う~ん」と

        パソコンの前で唸って「参ったな~」とぼやいていました。

        対し白イとフクラミたいが黒ロでぎゃふんです。一応

        白ロなら三子シノげるけど黒にコウを抜き返され前途多難。

        実戦は黒2で黒ロ。これも手筋ですが・・・惜しいです。

誘惑の怖さ・黒大ポカ

        黒2は助かりました。白3に黒4が省けないので白5抜きに

        回れ安堵。ここで黒6が敗着。アテをキカシたくなるけど

        下をツグとこれからの勝負でした。黒6は甘い誘惑で

        気持ちわかります。

コウ生じ逆転・残念無念局

        白1と切る手が成立。黒2に白3が厳しいのです。黒4抜きで

        白も負けると大変なコウですが白5コウ立てがある。対し

        受けると黒からどこにもコウ立てが無い。一瞬の出来事でした。

        ◎連打した上辺を白がどう遠慮しつつ削減するか、左上の白一間

        ジマリへ黒がどう寄りつくか。黒の楽しみが多き場面が予想され

        たので一手ばったりは本当に残念。でも本局内容は白を圧倒して

        いたと思います。次回こそ。期待しています。