幽玄の間S氏定先局

   31日午前早速S氏が受けて頂きました。久しぶりの定先局。楽しみと緊張。

   後半の手所から解説します。先ず画像を見て下さい。

右上黒地どうなるか。

下ハネが本命・白切込みへの対応は?

抜きが好手・アテに賢明な切り

白抜きは無理。コウにせず仕留める

相場のワカレ:これからが勝負

        白1撤退は必然なので黒2とツグ。白3に黒4、6が

        ちと悔しいが聯絡し安全です。白も凹ませたので白イ、

        黒ロと生かし白ハと中の数子取り手を打つ。

        💡あっ今、気づきました。白アテに黒キリでなく・・・

上アテで黒良し。白踏み込めないが結論

        切らずに上アテ黒1で解決でした。白2ツギなら黒3と

        マゲて丸ごと捕獲出来ます。白4は黒5でコウも不可。

        結論:右上隅は下ハネなら黒地安泰。よって黒優勢でした。 

序盤:S氏持ち味の数手

        では序盤。先だとS氏らしい碁が打てないこと多かったが

        本局はらしさ出ています。黒17は白18と代わりあまく見え

        普通打てない。右辺も私なら三線打ち込み検討したいが

        黒19、21は独特。でもある意味サバかせず繋がらせて

        攻めようとの目的。油断できません。

ここまであまく見えたが・・・

         白1に黒2は好手。白3は他の手もあり悩ましかったが

         白5、黒6で傷残し白7と受け先ず先ずと判断。次の

         黒8が凄い。白9と代わり相当地が損です。でもこれが

         S氏の持ち味。さらに姿勢ぶれず柔らかに黒10と中を打つ。

         中進出を優先し白11だが早治まりでしたか(次図参照)

         黒14芯止めが明るい。次に上辺打たれるのが大きいので

         白15先着だが厳しい黒16。白17は軽いキカシ意図。しかし

         有無言わさず黒18。白19で裂かれ形だが黒20一発が自慢。

         右の白一団は若干眼形不安。ただし直ぐの脅威ではなく

         ここまで白のほうが地ではポイント得ていると思います。

         ノータイムの白27は反省あり。2つ後の図で。     

  早治まりが最適(▲を働かせないために)

        ▲と念入りで準備して待っています。なので白1、3が

        正しい。棋理ですね。×断点も残り白不満なかった。

謙虚に確定地目指すべき

        ここも▲充電を謙虚に受け止め白1が正解。a~dは

        二間×二間×ケイマなので引き締め確定地を意識して。

        ◆貪れば勝つを得ず。『囲碁十訣』学び直しです。

直ぐ眼を取るのは白楽シノギ

        私だと黒1と眼を奪いそう。しかし白4ハネでシノギ

        困らない右側の辺か隅に後手一眼余地残っています。

鋭いオキ炸裂

        驚いた場面。あっさり黒1、白2を決められました普通は

        保留するもの。ただ下に手をつける前提だで渾身の力込めた

        黒3オキに賭けたと察します。この時は未だこの手の良さを

        あまり感じていなかった。白イでもロでも良さそうと。しかし 

白失敗例

        白1とオサエそうになりましたがヨンでみると黒2、4、

        6が厳しい。以下黒12まで白イは黒ロで負け。

        中の黒石が応援し役立っています。

先手で手になり黒に大きなポイント

        白1を選択。後手生きなら中の黒が薄くなるので悪くないと

        考えていました。ただ白15オサエが利かない。右上黒16の

           大きな打ち込みに回られショック。黒8が効いて黒イ、白

        黒ハのコウ手段があり、このままで手になっています。

        ◆白15で右上白aなら五分の形勢でした。

別法:中囲う方がS氏らしい

        実戦打ち込みとどちらが勝るか不明だが黒1と高く望んで

        白地囲わせて右から中を豊かな黒地もあったでしょう。

        二子の時の雰囲気だとこう打たれ勝利される印象。ただし

        実戦が悪いというわけではありません。

実戦経過(冒頭場面へ)

        実戦。こんなに頑張らなくても良いのですが先対局は

        緩みの精神では勝てぬとの気持ちが表れています。

        形勢悪い白は右上へ勝負手。冒頭画面となりました。

白先コウ(白負けると危険になる)

        下の死活。白からいくつか攻めあるが白1には黒2と対応します。

        白3、5と取りに行くと黒6オサエ。白イ眼取りなら黒ロ、

        白ハ、黒二で次に隅をアテて黒取り番のコウとなります。

        見ての通りこのコウを白に仕掛けにくくするため黒は上を

        頑張っているのです。

        ◎疲れ様でした。今までで一番惜しかった。次回頑張って下さい。