加藤六段三子局・挑発手の誘惑

       昨日は終了後に加藤さんと野波さん、栗林さんとで二次会ありました。

       この四人では本当に久しぶり。談義・談笑とても楽しかったです。

       さて加藤六段三子局。競り合いの中、白が挑発手を放ちます。際どいが

       チャンスと見て勝負するか、守り合うかの判断がポイント。では開始。

黒一子活躍するかが鍵

        三子局でのダイレクト三々経験は皆無ではないが稀。

        白7二段バネに黒8切りなので定石通り進むと思いきや

        驚きの黒10。「シチョウ良しなので。」加藤さん感想。

        白11~15までのワカレは白良しだが黒8が活躍・役立つ

        展開になるかで評価したい。以下普通進行ですが右上

        白21カカリに【加藤流】飛び出します。(それは後で)

至って普通

         黒1~5なら一般的な定石で普通でした。

黒一子即活用法①

         「右上単に黒1の二間受けは?」と局後伺うと白2と

        広げられるのが嫌だったとの答え。気持ちわかる

        ただ黒3コスミ動き出しが良きタイミングとなります。

        この手は戦うというよりも模様削減・制限が目的。

一子軽い。種石だが要石ではない

         実戦とは違うが有益と考えて黒1、白2と想定し黒3なら

         どうなるかを検討します。私は白4とツケるでしょう。対し

         黒ノビなら白二子をどう捨てるか思案し練ります。しかし

         黒5とハネられると困る。白6キリなら種石取れるけど

         黒7叩きから黒9が聡明手。白10には静かな黒11です。

         種石取られましたが要石ではない。白2二間トビ拡大が

         色褪せている点を満足とします。外の黒も役立つでしょう。  

白を割れば模様は薄い

        白4ツケの可能性もある。黒5ハネに白6堂々。白は戦いに

        導きたい意志。今度は黒7としっかり助けます。白8は頑張り。

        続いて黒9ケイマが伸びやか。左下の黒ケイマ存在が嬉しい。

        右の白模様は隙多いので中の黒が負担にはならないでしょう。

        なお▲ですが後々白にアテられたら『無視』の要領。     

黒11は頑張り過ぎ

        実戦は黒1。カタは加藤さんの得意技です。白2オシに

        黒3と軽く打ち白4、6に黒7受け。単に黒7より働いて

        いるとの考えです。白8切りに調子で黒9ノビて確かに白

        模様は消えそう。しかし白10に黒11ノビは頑張り過ぎした。

力まずサラサラが良かった

        黒1コスミが急務。白2と取るけどそれほど嬉しくない。

        黒3と逃げれば『カタ作戦』先ず先ずの成功だったでしょう。

 黒1最高手。振り変わりは黒良し。

         右辺折衝は一段落。右辺で黒は無事に治まって先ず先ず。

         ただ中が白厚くなり右下黒一子活用は消滅しています。

         左上へ焦点は移りましたが上辺打ちこんで左上三々は

         欲張りでした。黒1が最高手。白2~6と一子は取られ

         たが振り変わりは黒に分があります。続いて左下黒7ツケ。

          白トビたかった良き所。白8ハネコミに黒9、11も賛成。

        シチョウ白良しですが・・・何となく白12を選んでみました。

        ◆加藤さんは後半冴えてきます。さてここです。

         黒はシチョウに取られてた図と同じ進行にしても良かった。  

誘いに乗らず実利なら簡明

       予定通りの黒1アテ、白2抜き、黒3ノビ切りの進行で良でした。

       左辺白地痩せています。ただ次に白は上の黒地へいろいろと仕掛け

       るのでそこが最後の勝負となります。なお黒3で黒A補強も冷静。

  当然の黒ノビ。白やり過ぎでした

        取れるのをアテたら黒1と逃げたくなるのが人情。白2に

        黒3ハネは良い手。ただし中央白壁があるので黒が楽に

        逃げられるかは不明です。白4切りが悪手。黒5に白6、8

        豪手で行けると見たが黒9ノビで良くなかった。白6では

白ハネ対応だと黒難しい進行

        白1ハネが正着。黒2、白3に黒4と四子逃げるけど黒●には

        白イ・ロ・ハなど利き筋あるので繋がるのは大変。右側は白△

        待ち構えています。この図なら白楽しみでした。

   白挑発の切り。黒の正解は?(イ・ロ・ハ)

        黒1~5とひどいことに。左辺白味悪。ただ黒を味良く

        連絡させては失敗を認め悔しいので「えい。」と白6。

        ◆左辺守るくらいと見た加藤さんの眼がキラリ。何か

        あるとヨンでいたでしょう。さて大事な次の一手です。

        冷静な黒イか、黒ロ攻めか。黒ハのアテか。正解は?

手入れ促すのが冷静

        黒1ノビでな中を守るのが一番冷静でした。白2よりなく

        黒3で無事連絡し上も黒地となったでしょう。こうなると

        中央白厚み働かず黒優勢で有望な後半だったです。

白無理

         白2、4とアテても白6は打てない。黒7でアウト。

誘惑に負け残念

       実戦は黒1アテ。白2に黒3が魅力的に映ったようです。

       白4アテ食らったのは痛い。ただ白6に黒7以下はせず

       中を切りならまだ大丈夫でした。実戦経過を図にするのは憚れ

       ましたが白12までは示します。▲抜けてはもういけない。

       ◎甘い誘惑にはくれぐれもご注意を。この敗戦は身に染みたと

       思いますがさっと切り替え次局は会心局を。期待しています。