S氏定先局 温めていた手・初披露

   8日午前のS氏定先指導碁。いつか打って見たかったという手を打たれました。

    私は見たことない。先ずその手を画像で。

凄い発想・試す勇気

       ▲と打たれた時、念のためにクリックミスですかと確認しました。聞くと

       いつか打って見たかった手とのこと。定先で試みるのは勇気あるが

         だからこそとの気持ちですね。Sさんの棋風でもあります。

         良い手でないと仮定しどう咎めるか真剣に考えました。第一案は・・・

 間を割る想定:白今一つに見えたが

         素直な白1コスミ。恐らく黒2でしょう。白3と割る。

         隅捨ては大きいので黒4、6を予想。以下白11までと

         進んだら黒12とハサんで来る。これは戦いになるが

         奇異に見えた黒Aが立派で左下▲も働きそう。

         ◆咎めた感じはしません。ただ白9オサエで・・・

這い一本ハネ出しあり。

        白1と一本這う手が有力。何も考えず黒2受けは白3と

        ハネ出します。隅はコウ手段あるが黒悪いでしょう。

この変化は白良し(隅にコウ残り)

         なので隅生きる前に黒1とオサエたい。白サガリなら

         キカシ。しかし白2とハネます。ここで黒3と受けると

         白4と追及。以下白8までになれば白良し。その理由は

         隅の黒へ白aオキあり。コウ残りでは黒辛い。

想定した一つのワカレ(参考に)

         黒1、白2のとき黒3とツケることになる。白4ハネ出しに

         黒5、7は仕方ないでしょう。白8、10で少し白頑張った感じ。

         続いて黒11ならば右辺白12ヒラキで白満足。ただし左下白へ

         黒13ツメが厳しい。左辺一帯は黒が主張出来そうで一局か。

         なお黒11では単に黒13や右辺ハサミも考えられます。 

        ◆黒の新手はそれなりに打てる。『悪手ではない』が今の結論。

この分断は急所マゲで黒持ち

   局後のS氏感想・黒1でしたと

        数手進行した場面。白は右辺展開。黒は右下戻した構えが

        美しくほぼ互角だと思います。ここで実戦は右上黒Aでした。

        普通で選ぶ方多いかも。しかしS氏棋風には合わない感じ。

        序盤だと部分的な守り全体に役立つ手を配置するイメージ。

        検討で伺うとこの図の黒1を示されました。私の第一感は

        天元でしたが右に寄せています。右上黒への間接的応援ですね。

        また黒イの打ち込みや左上黒ロカカリでの拡大、黒ハ囲いなど

        次の良い手が含まれています。白△も動きにくい感じ。

        序盤の五線発想、好評価します。     

いよいよ勝負所

        黒1と我慢し生きたところ。上は白模様となったけど下の

        白数子利用せずこのまま黒地では白勝てそうもない。そこで

        白2から求めました。白10まで気分は白やれそうな展開。

        黒5上アテで下アテが良かったかも。その図は・・・

下アテ検討:こうなれば実戦より勝る

          黒1下アテに実戦と同じ白2、4なら黒5まで明らかに勝る。

          黒1が×でないので白aが利かないよって白2では・・・

前図の変化:白のサバキ先ず先ず

        白2~6を考えていました。黒7なら白8で活路求めます。

        仮に白14までなれば治まり先ず先ず。ただし黒7で・・・       

黒有力図:先手で上辺削減へ

        黒1と妥協し白2を許すかも。以下白12となれば黒先手。

        上辺黒13、15とされたら白地はまとまりそうもない。

        ◆ただし実戦進行でも悪くなかったです。平凡な・・・     

  普通抜きが良:白にシノギ方問うが上策

          黒1抜きだと考慮時間取っていたでしょう。白2が

          見えていたが黒3にサバキ難しい。白4で黒5を促し

          白6、8という感じだけどはっきりしたシノギではない。

          いったん放置し上辺黒7から白模様荒らすのがうまそう。

         下の白を補う余裕なく黒打てたと思います。

コウ勃発・黒に負担あるコウ

         黒1切りには白2鬼手あり。コウは白の臨むところ。

白守り先なら穏やかな進行でした

         思わぬコウ勃発に白は喜び。直ぐ仕掛けるとコウ立てが

         はっきりしないので白3、黒4をキカシて一呼吸。

         ここまで実戦ですが次は白5守りが冷静で賢明でした。

         この手は黒のコウ立てを無くす意味もあります。コウを

         取るか黒6手入れとなりそう。そこでがっちり白7。

         コミ無しなので微細ですが白はこの図が良かった。 

闇試合の様相

        右上白1トビは下辺黒A手入れを待って上辺固める意図。

        しかしS氏その隙を逃しません。黒2、4と弱点を突く。

        下に白Aという怖い手あるが勇ましい。白はコウに勝つために

        2コウ必要。上側に黒のコウ立てが増える流れでもあるので

        わけわからぬ闇試合的様相へ・・・

 混沌局面:しかし爆弾残り黒が大変

         続きです、未だA爆弾残っていますがそれ以上に上一帯が

         忙しくなり混沌。左上に黒B(18目)も残っています。

       

        ◎結果は残念でしたが序盤作戦成功していたと思います。

         惜しむらくは黒27手目で中央、天空への一手でしたね。

         お疲れ様でした。またお待ちしています。