山崎五段四子局

   合宿にも参加された山崎さん。いつも「囲碁は玄妙ですね。」と嬉しい一言。

  その世界へじっくりと進み強くなって欲しい。なので甘辛を3:7で解説します。

注目の場面【黒番】

ピンとしたハネ

         打たれたのは黒1ハネ。ピンとして嬉しかった。

         ×と切れば白一子取れるがみみっちいですね。続いて

ノゾキへの対応は?


          白の段違い両ガカリに黒1、3ツケヒキは昭和定石。

          白4三々に黒5オサエは基本定石(次図参照)とは違う。

          でも上をハネて黒12と迫った手に積極性感じます。白13、

          黒14ノビに早速白15と嫌らしい白ノゾキ。

          黒はどう受けますか。     

互角定石(実利厚み

        最近はツケノビが増えているがツケヒキは今も打たれます。

        三々には即切りからノビが定石。外の黒は手厚い姿。

白へ響くツギが基本

        またノゾかれるから。」との理由で嫌がる方多いが

         黒1受けを伝えました。白へ密着した効果で黒aの

         ハネを強調出来る。白4は省きにくい。

         ◆検討で山崎さんから黒の形が密集(囲碁用語で集四)

         して悪い形なので避けたと感想。一理あります。ならば     

 この受けがベス(分断強調し先手)

        黒1へ受けるのががベストでした。ハネ出しきついので

        何か守り必要。白2なら先手で黒3と先行出来ます。

        ※特別な場合を除きただ断点をツグのは効率悪い。

        どちらかの相手の石に密着させる受けが基本対応です。

白ツケに対しどう打つか

        只ツギが実戦。でも上の黒一子を軽く見て黒1と中の

        要点占めたのは流石。左辺黒3は二間受けがバランスだが

        黒5は迫力ある。白6に左辺黒7~白16は得したか微妙。

        ◆白眼形奪っているが黒眼形もゼロになっているのです。

        中央白18ツケに考慮されていたがここはあまり考えずに・・・

『ハネてツギ』が競り合い基本定石

         黒1とハネて欲しかった。白2ノビに黒3とツグ。これは

         競り合いの基本です。白4と来れば黒5とここは譲れない。

         以下どんどん形決まれば黒打ち易くなります。

   切りには冷静なヒキ・シチョウ伺う

         白2と切る可能性はあります。その時の基本は黒3ノビ。

         普通白4なら黒5とシチョウに抱え黒厚い。

強引ゴリゴリへの対応

         今回は詳細に伝えます。特にゴリゴリ手段への対応を。

         白2、4は何としても分断が目的の手段。厳しい場合

         あるけど普通は無理。黒は堂々と切り合って勝負します。

         黒11まで示しました。最後の中央アテ気持ち良いですね。

ピンチの実戦

                              実戦経過。黒29と受けた所ですが中央黒大石ピンチです。

        その原因を探ると『弱気と強気のちぐはぐさ』と分析。

        疑問手や悪手は(黒1・黒13・黒17・黒21)

        良い手・好手は(黒3・黒9・黒11)

最善生きには感心

         白1、3カミ取りは味が良いので打ったけど中央に

         白6と出たら黒大石のシノギ怪しかったかもしれない。

        黒4、6手入れは最善。小さく凹む生きを予想していた

        のでここは感心。局後に伺うと左上には黒一眼の余地あると

        楽観していたとのこと。この形は無し。お気をつけ下さい。

この姿勢で戦闘力を養って

         白1進出に黒2ケイマは白へ迫りたいとの意志。白3に

         離して受ければ普通だが黒4は緩みたくないとの意図。

         白5の圧力には黒6と体勢を整え攻めようとしています。

         ここの数手は石が張っていて気持ちも伝わり好感持ちました。

         ◎戦闘力は経験積むことで自信となりついてくる。これから

         上手と対戦したときは負けて良いから強く対応心掛けて下さい。

         11日の研究会にも大会前の研修として参加を。お待ちしています。