幽玄の間でも頑張っている笹田さん。AIを上手に自分の棋風に取り入れています。
本局は中央攻防が見応え抜群でした。冷静な捨て石収拾はAI的で感服。では開始。
聞くと黒6カケから白9までAIは決めて良しとのこと。
私の棋風だと固めて頂き有難いとなるが中央の戦いや左上
折衝でのシチョウ関係など確かにカケは役立ちそうです。
白13構えに黒14は衆目の一致する好点。白15割りに対し
黒16詰めは当然。白17では根拠手浮かんだけど重いと見て
軽め二間を採用。次のじっくり黒18詰めは狭いが白二間の
薄みを伺う好手です。実利では対抗しにくいと感じ、白19と
一間トビ。黒20守りが見え見えですが白21五線手に賭けました。
二子なので黒良いのは当たり前ですが全体的には白も対抗していると
思います。さて黒番。どこに打ちますか。その前に・・・
白1カドは相当な手だが黒2と押され白3なら黒4、6と
圧迫されます。黒Aツメが光っていますね。早生きなら
白イ、黒ロ、白ハがあるが右の白×弱くし打ちず辛い。
◆私が白1を選ぶ時は相手も弱くなりそうな状況のとき。
白△逃げ越していないのを咎め黒1ボウシは気合良く最強。
△シノギ対応は黒に主導権握られるので私だと白2にカケる。
対し下を這うのは黒1威力半減するので気合は黒3ケイマ。
白4は気合返し。連打合戦になり果たしてどちらが良いのか。
どちらも本当は怖そうです。黒1は度胸勝負覚悟して下さい。
検討での結論は黒1コスミ受けとなりました。白から同点への
カケを封じ厚い受けです。白2と△へエール送ればすんなりと
黒3ヒラキます。流れは白4となるが黒5と割るのが絶好。
白4には黒5一本(何かしら役立つ)で黒7と軽く二間進出。
こうなると白あまいですね。黒1以外にも良い手あると思うが
『カケを避けるコスミ』は良い手になる場合多い。
ツケは予想しなかったそう。黒ボウシなら決めていたので間髪入れず放ちました。
左辺二線は拘りだが早く黒1ボウシするのが良かった。
白2、4は黒5までそれほど苦になりません。△動くと
中を消させれそうです。
白1が着点として最上。左方面は侵入難しい。黒2ならば
白3と止めて中白地結構つきそう。黒2で工夫すると思うが
白はこれが本道の囲いでした。
黒1は良い手。ただ白2に黒3は疑問に見えました。黒5、
白6と進んだときに黒3、白4交換はツケコシなど別の
シノギ手段消していますから。黒7~白10と進み果たして
黒は中で二眼作れるか。かなり怪しいと見ていました。すると
黒11ハネ。「えっ。」と白12切り。諦めるには大きくないですか
と思ったら素晴らしき構想を描いていたのです。
実戦の前に下地案をお見せします。ハネ出し打たず黒1マゲ。
白2ツギなら黒3ノビ。これで絶対に楽生きとは言いませんが
四方全ての黒がしっかりしているので中の黒のシノギは容易と
判断したいのです。互先感覚ですが参考に。
黒1ノビで▲捨てる発想。気づかなかったが素晴らしいです。
白2、6は他の手もあるがこの進行より勝る感じは無かった。
白a抜き、黒bと進んだのが実戦。黒×持ち込んだ感もしあり
白満足と思ったけど良く見ると餌に釣られて中央を土足で
蹂躙された感もある。では白はどうすればこの図を避けられたか。
ここは笹田さんのAI的冷静サバキを褒めたいと思います。
◎最後のヨセでミスがあり残念局となったが惜しかった。また
来月もよろしくお願いします。お疲れ様でした。