今井七段三子局

 遠方から参加の今井さんは厚い棋風。最近は力強さが加わってきた印象。

 先ず五つ画像を見せします。①~③黒断然優勢 ④⑤は白の技炸裂場面。

黒番:白弱石をどう攻めていくか

黒番:中を白が割った手(下側)への対応は?

黒の次の手は豪でした

白の技炸裂場面:黒番

隅の黒ピンチ:果たして

    右上隅の黒ピンチです。いったん諦め上辺削減されますがその後に

    今井さん決断し右上の黒復活へ手段求めていきます。では序盤から。

明るくバランス良き序盤

         黒2シマリは現代流。白5三々は好みではないけど学び

         兼ねて採用。黒6、8対応で黒10を占め、上辺白11に黒12

         ヒラキと落ち着いています。白13は同点カケを防ぎつつ

         打ち込み狙うが気にせず黒14カカリから黒16ボウシは意欲的で

         黒22まで切り上げも早い。

         ◆白23打ち込みから主導権握れるかなと思っていたが・・・

ボウシ好感覚

        黒1ボウシが良い手でした。安易な黒aやbならば

        白1と飛んで上の▲との睨み合いになっていたかも。

        外へ出にくくなり白2、黒3、白4のサバキへと進行。

アテツギは簡明で良き対応

        今井さんは難解な折衝よりも簡明で良い手を選ぶのが

        本当にうまい。黒1、3が平易ですが良き対応でした。

        白4は意地。白aカカエなら無難だが物足りなかった。

        昔だったら黒×受け白a、黒b、白cが期待で出来たが

好手蟹バサ

        強く黒1反発。以下白10まで進んだとき黒11が好手でした。

           蟹バサミというハサミツケの一種イとロどちらも可との主張。

                           白6、8は工夫が足りない。単に白8と打つべき(後の図で)

ツギから切りは切られ無理

         白3~5と打ちたかったけど黒6~10と反撃されます。

         見てのとおり攻め合い白負けですね。

黒好調白嫌な展開

         回り黒ばかりなので白8と軽めに逃げ選んだが今井さんは

         黒10と左辺固めながら攻めて行く。防戦しながら白19と

         上の黒へ反撃匂わせたが黒20!無理に止めずAIのように

         ソフト。シノぐだけの進行では白不満と感じていました。

白の目指したい図(必然ではないが)

        白の反省。実戦白×、黒15を決めず白1単カケが形でした。

        もしこのように進んだら白17まで実戦と大差です。これは

        白うま過ぎで黒抵抗するけど白はこの図を目指すべきでした。

白最善だと微細でした

        実戦白の右下サガリはデカいけど上辺白1守りが急務でした。

        黒2~6がきついが白7でシノギあります。

        ◆この図は微細。ヨセで白が勝つチャンスあったと思います。

鋭い手段(手になっています)

        右上隅の黒数子は堅く確保し安心と考えていました。しかし

        上辺が破れたので味悪くなっています。今井さんは形勢判断

        され黒容易ではないと右上をヨミ返されたよう。黒1、白2

        交換し【いけると判断し黒3を決行です】この時の私ですが

        手にならないと思い込んでいました。それと他の碁の検討に

        熱が入り集中力足りなかったです。黒11が好手で何かしら

        手になっています。今思うとノータイムの白2ツギが失着。

        上辺を前の図トビで手入れする最後のチャンスでした。       

お見事の勝利

        攻め合いでも黒取り番のコウ、など勝負決する変化もあった

        ようです。黒七子は抜いたが取り返され右上白地は半減。

        もちろん黒成功です。何かあるとの嗅覚素晴らしかった。

        ◎最後まで懸命にヨセたがガッチリ黒が残っての勝利です。

        三子で三局に一局勝つペースになれば二子で打つ資格十分。

        お疲れ様でした。本気で八段目指して下さい。