山崎五段四子局

    山崎さんは研究会久し振りです。本局立ち上がりの大型定石を躓かれました。

    ただ後半に大チャンスが訪れます。画像を。    

白番:黒が右下中にホウリコミした場面

 二つ黒一子アタリになっていますが山崎さんが打たれたのが下の方のホウリコミで

 好手でした。数手前に白が駄目詰まりの悪手を打ったのですが咎めた一手。

 両者最善を尽くすとどのようなワカレになりますか。また白最悪は?(後半に)

   白の分岐点(イは振り変わり・ロは戦い

        1月の指導碁でも同じ立ち上がりでその時は白イを選択。

        双方石を取り合う振り変わり定石を完璧に打たれました。

        今度は白ロを選んでみたが棋書には載ってなかったよう。

トビは失着

        私は白1ツギの方が好み。黒2~白5となります。ここで

        黒二子を逃げますが黒6が残念。白7が利いて白9ツケ。

        これで黒×は取られているのです。

緩みシチョウ

変化・ゲタで取られ

        黒2が抵抗だが白3一線サガリが先手利き。黒4に

        白5~11まで逃げられません。

白1オサエなら黒トビ(6)が正着

        白1の定石なら黒2~白5のとき黒6トビが正着となります。   

戦闘定石

        よって黒1マガリ絶対手。白2なら黒3、5と動き

        以下のような競り合い戦いになります。両隅に▲存在

        で黒が打ち易いが道標ないので今後の戦闘力が大事。

黒番次の一手は?

        数手進行し白1~15は実戦ですが黒番次の一手は?

        候補はA~D。失敗一例と正解例を伝えます。

失敗例:おつき合いは背景に注意

       『白が打つ箇所は大事で手抜き不可』と思うと黒1と打ちそう。

       待ってましたと白2ハネ。応じざるを得なくなり黒7まで進む。

       囲い合いになるが左上白△が鉄壁。黒地は膨らみません。

       ◆左下黒は弱くないので手抜き可能。応じる前に背景を見るですね。

打ち込みで荒らせる

       白勢力圏ですが今なら黒1打ち込み大丈夫。白2に黒3堂々。

       以下は想定一例。右下は窮屈になったが右辺は黒×あり裾空き。

       打ち込みは少々怖いという方には明るい手を伝えましょう。

カタで消すのも有力

        黒1。カタはAIも好きですが良さそう。白イならば黒ロ。

        白ハなら黒二、白ホには黒へと柔。少し白に地を与えて

        攻められない黒を目指す。なお右下▲はaとbが見合い。

実戦:消しの着点なかなか

        右辺黒1でした。白2と広げたとき黒3。対局時は

        褒めなかったけ最適の消し。ここが山崎さんの強さですね。

        左下との絡み策を取ったがするすると逃げられました。

        お待たせしました。では冒頭画像場面解説します。

双方の最善予想図

        黒ホウリコミ、白2取り。ここまでが実戦。次に黒3

        アテが好手でした。悔しいが白4よりなく黒5と抜かれ

        白6までが双方の最善となります。白地破れました。

        黒7以下はヨセ想定。微細勝負だったと思います。

        もし白4で欲張ったら・・・          

駄目詰まりぎゃふん

        白1と切ったら大変黒2に白3分断が可能に見えますが

        黒4とツがれ・・・もう時すでに遅し。白5と引き返しても

        黒6アテ!「ギャーッ。」ですね。

        前図をヨんで黒取られと錯覚され逃したのは本当に残念でした。

        お疲れ様でした。定石を熱心に学んでいるのは必ず上達に

        繋がります。失敗も糧ですね。次は17日の浦安碁会で。