下じょ会・長南氏二子局。この碁は私がヨンでなかった分断筋を見ていた長南さんが
その箇所をどうされたかがポイントでした。先ず立ち上がりと後半画像を。
前例あまりなき序盤。長南氏との指導碁で基本定石出来るのは稀です。
白がやり過ぎた感じありましたが止まらず隅へツケたときに黒考慮。
中の攻め合いは白が勝っているのか。締め付け具合はどうなるのか。
画像場面詳細は後ほど。 序盤からじっくり解説します。
白25トビの時は良き感触ありました。もし上辺白を
繋がらせたら黒あまいと思います。その前に黒20では・・・
中を意識する黒1も考えられました。白2が癪だが黒3と
厚く打つ。実戦の白aは黒bと分断されるので打ちにくい。
黒7までトビトビになれば黒簡明です。ただ×が空くのは
厚みとしてスッキリしない感じもあります。
双方自信ありと中央で衝突。分断し合いになりました。
黒10と封鎖し見た目は黒持ちだが白が生きた後に右上の
黒をどう生きるか、手がかかるかが問題になります。
黒21、23は隅の白に先手。対し普通の生き対応では黒へ
圧力かからないので白は頑張った生き筋を選びました。
右上隅は普通トビで生きるのが形ですが白1を採用。
黒2は白2を防ぐため省けません。隅の白は黒からコウの
手段あるけど黒も負けたら大変なので負担あります。
白9切りにシチョウでカカエると中をノゾク予定でした。
次の黒10守りは辛抱強い。(後に凄い手段含んでいました)
白11~15ノビに回って白が得しました。左側も一応は白が
圧している進行に見えます。少し戻って・・・
右辺黒対応で下サガリはどうなるか。白2~6が実戦的
眼作りとなります。黒7には白8、10が生きと黒の眼取りを
兼ねた好手段。もし白12となったら黒一団相当危険です。
左側で数手接触しこのようになりました。左下隅で黒が
頑張っているが今打った白aで薄くなった▲一団をどう
補強するかがポイントです。辛い生きなら隅も白地になり
そうだなと私は楽観していました。長南さんはじっと辛抱し
温めていた手段があったとは露知らずに。それは・・・
検討時に打つ予定だったと知らされた手段が黒1、3。
私は全くヨンでなかったので驚き。検証してみます。
対し白イと応じるのは黒ロ、白ハ、黒二切りまで。
辛抱した黒Aが最高に働き上辺白二子捕獲となり黒良し。
◆黒3には白ロとアテるよりない。
白1とアテて白3とツゲば無難。黒4には白5~11まで進み
取り合いの振り変わりです。しかし黒12、14ハネツギで
黒地大きく黒満足でしょう。白3で反対をツグのは・・・
上辺白捨てられないと白1、3には黒4と一つハネてから
白5に黒6(a)ホウリコミが好手。黒8となり中の白が
逃げられそうもない。上もこのままでは黒オサエたら
白が有利とは限りません。
【検証結果】黒のアテワリコミは相当有力。というよりも
打たれていたら白が困っていました。
先ほどの手段を何故長南さんは断念したのか。何か嫌な手が
見えたのかもしれない。堅く生きた実戦では白がポイント。
コミ無しの定先ですがもう黒容易ならない形勢だと思います。
挽回すべく黒1鼻ヅケは当然の一手。白の最善対応は・・・
手堅い対応白2が一番。黒は調子つかない。この後
右下か下辺か左下を黒地にすべくどうまとめるか思案され
たと思います。白はそれを見てゆっくり進めて行く。
実戦白2ハネは黒3と二目にして捨てる筋を誘発し悪い。
白4は冷静に辺の黒二子を取る方がまだ良かった。
白は魅入られたように味悪でしかも得しない中の黒を取りに
行きます。白18は無理。白20は意地だが無謀。この辺りの
白は変調の極みです。長南氏魔術にかかったのかも。
黒21、白22となりここで黒に決め手ありました。
普通の黒1がわかりやすかった。対し白3受けは黒2で
潰れなので白2ツギよりないが黒3と抜く。白4逃げに
黒5が冷静。白6と本体は逃げられるが白は忘れ物あり。
黒7で右辺白二眼無しで死に。まさか中の黒一団が取られる
ことはないでしょう。実戦でも黒が勝つ道ありました。
黒1でも大丈夫でした。白2~6となったときに・・・
黒7が放心の一着。白8二子助けが先手になり黒9に
白10となって逆転です。右辺白は二眼無くなるが隣の黒も
生きていない。実はこの図は私が願っていた展開。土壇場で
白の毒気を嗅がされたのかもしれません。黒7では・・・
簡単な黒1ウッテ返し二子二つ取りが正解。白2で
黒一団を捕獲するにかける予定でしたが黒×逃げで
なく黒3がすんなりの好手。白どうにもなりません。
◆最後に白×分断がどうなるか次図で説明します。
白1~7まで分断したら黒8、白9も必然。これはセキの形です。
危ないので黒10とツグと白11も欠かせない。平和なセキで一段落と
言いたいが右辺へ黒12。ここで大変な事態が判明。右辺白一団が二眼
なく死んでいます。ということは中はセキ崩れとなるのです。
◎左上の黒シノギ方でアテワリコミという幻の好手段を逃したため
せっかく白面白い形勢になったのを右辺黒鼻ヅケに無理・無謀な
抵抗をして何回も白負けになっていた一局。あまりに良過ぎる
図が多くなり長南さん脳波に影響したものと察します。本局
白勝利で私が久々の二連勝との事。しかしこの内容では胸を
張って喜ぶわけにはいかない。次局気持ち込めて臨みますので
よろしくお願いします。お疲れ様でした。
黒豪手に対し白の最善対応が見つかりましたので伝えます。
アタリアタリは俗で単に白1出が味あります。黒×とツグか
別の受けを打つか黒は悩ましい。これなら互角になりそう。