幽玄の間S氏定先初勝利局

  20日8時30分開始と早い設定にS氏からの申し込み。本局ついに

  初勝利を献上。持ち味を主張し過ぎず自然に手厚さを醸し出した内容。

  先ず画像を見て下さい。

終局図

     ▲と打たれた時にS氏残り時間は数秒。打ち続ければ時間切れ必至ですが

     地合い数えての判定したいと思いました。私の計算は正確さが怪しいけど

     黒が7目程リードと見ました。今までに何局か黒優勢での時間切れ局が

     あったことも考慮し本局黒勝ちを認めた次第です。では序盤から。

序盤

        右下の白10、12から白14。令和では見なくなりました。

        隅を生きられた代償を白は二つの辺で得ているが中の

        黒の強度具合がポイント。攻められ苦しくなると白良し。

        攻め喰わず厚みとなる進行は黒良しです。私の勝率ですが

        三子は高いけど二子~互先は少々分が悪いです。

        見ての通り黒25に黒31~35とぬるそうなぐらい手厚い。

        S氏は左辺黒29が良き位置でしょうと主張しています。

        左上白38~42は次に左辺と右上を見合いにとの意図。ここで

        S氏の感性の一手が出現します。なかなかでした。

将来働きそうな黒1

        黒1。普段から創意工夫を心掛けていないと打てない手。

            白2、黒3となるとこの交換は働いています。普通発想は

         単に黒3だが後から黒1と打っても白2とは応じません。

         ▲との連動。この碁の勝因の一つに挙げたいと思います。

静対応で無言の圧力

        右上黒8までの対応は反発無いけど良し。白へ無言の

       圧力掛けています。早く左下白Aに回りたいけど黒B

       あまりに良い。双方好点を横目に先手模索が始まります。

手厚い黒ケイマ白の分岐点

        白1は要点。対し黒2ケイマ。前の中央手働いて来ました。

        ここでもう少し得してと策手打ったのが実戦。今思うと・・

好点に回るが有力でした

        欲張らずに大場で好点の白1先取でした。黒2~6が

        気になったけど白7~11まで丁寧に受けて澄まします。

        これは虐められたというほど辛くない。中の黒地も

        二ヵ所開いているので気にするほど大きくないですね。

        ◆この図をさらりと選ぶ聡明さが今後の私の課題。

実戦進行 白番

シチョウ取りは黒あまい

         白ツケコシ切りに黒1カカエだとシチョウですが

         この場合は白2アテから白4とノビられあまい。

         黒×と繋がるのは不満。実戦ガリ反発は当然です。

普通ツギが良かった

        ノゾキに迷い二子捨てる方針選んだけどやはり白1が

        良かった。黒2手筋(嫌でした)白3、黒4となるが

        白5と中央の攻防手へ。この手は黒への攻め(イ・ロ)を

        含み価値あり。右上隅黒への寄りつきも楽しみとなる。

        ◆素直が一番。普段は皆さんに伝えているのですが・・・

左下は黒が先取勝因

        右辺や上辺の利得に拘ったため最大ヵ所左下は黒へ。

        実は右上黒へ攻め味期待したのですが気分だけで実際は

        有力手段見つからない。ここでの立ち遅れ大きかった。

この図で妥協すべき

           好点へ回る最後のチャンスありました。黒一子取らずに

        白1とシマる。黒2叩き喰うけど白3とハネ。黒4なら

        白5、7。白の眼形心配ありませんね。この機を逃さず

        左下へ回ったS氏、当然ですけど機敏でした。

        ◎お疲れ様でした。良き内容で負かされました。これを

        自信として幽玄の間での最高段目指し頑張って下さい。