幽玄の間H氏四子局 

  毎月受けて頂いている第一金曜日10時開始のネット指導碁。今回H氏一面

  でしたがじっくりした隙を見せない良き内容でした。勝敗は最後のヨセでの

  波乱・折衝で揺れ動く。先ずその場面から画像で。

分岐点、白ハネへの受けは?

緩める黒Aか波乱含む黒Bか

     黒Aなら安全。それで地合い黒が良ければ良いのだがどのくらいか。

     黒Bならコウでの戦負または隅を生かして上辺への寄りつき勝負か。

     先ず安全黒A緩めの場合の地合い具合を検討してみます。

緩めだと黒リード5目以下

     対局中は黒1緩めを選ばれたら追いつくのは大変と感じていました。

     ただヨセ想定してみると意外に細かい。黒が5目勝つのは大変です。

     実戦H氏はオサエました。ある意味当然とも言えます。

コウにするか生かして打つか

    地合い的に我満出来ないので白2切り。白4のときに黒はコウにするか

    隅を生かして上辺に寄り付くか分岐点。コウにした場合は・・・

コウ立ての数どうなるか

     黒1とコウにするのは相当勇気要ります。白2取りとなり負けたら

     右上隅の損害はかなり。黒3のコウ立ては利く。続いて・・・

左辺ノゾキコウ立て発見なら黒乗り。

     黒5(a)抜き、白6コウ立て、黒7受け、白8コウ取り、ここで

     黒のコウ立てが難しい。黒9が良いコウ立て。これは白受けるよりない。

     この後がどうなるか。右辺白イは黒ロ受けとなり黒×コウ立てが生じ

     打てません。左上白ハは利くかな。黒二コウ立ての時に白は悩みそう。

     ◆確たることは言えないが黒9発見すればコウ勝負行けたと思います。

実戦進行:上辺守られてはあまい

    コウは不利と黒1ツギを選んだのは悪くない。白2生きに黒3が残念。

    黒5が敗着。白6と守られては右上の損が取り戻せません。

    必ず実戦に役立つのでこの後の解説図を目に焼き付けて下さい。

二線ツケで先手処理

    黒1ツケが最善手。白aは黒bで無理なので・・・

必ず急所に一撃を

    右辺は一子捨て石効果で先手で止まりました。そこで上辺白に注目を。

    黒7急所へ一撃します。白8には黒9コスミが最善連絡の筋。白10に

    手抜きが可能。ここは強気に黒11、13と二段バネします。白14、16の

    受けが相場だが。黒17とさらに頑張ります。もう白イは黒ロと反発し

    白×を逃げられても良い。次の狙いは上辺黒×中手・・・

    覚えて欲しいのは隅のツケからの決めと急所一撃ですね。これが打てれば

    右上での黒地13目損(緩み受けと比べ)をかなり取り戻せます。

    終盤に関しては以上です。序盤少しコメントし終了します。

少し固めだがガッチリで良し

    左下折衝ですが互先的には少し白キカシた感じだが大したことはない。

    白23に対する次の手が大事でした。

隅と別々で胸を張る

     黒1とカケツグ一手。白2は気にせず黒3二間、白4受けにも黒5と

     中央覇権制覇しましょう。隅の▲が生きているので白2は価値低い。

実戦は白に利ある競り合い

    黒6はあまい。白7に黒8と以下は互先的につっぱり競り合っています。

    ただ黒の厚み方向は白△配置で働く場所が少ない。比べ白は下辺が良き

    白地となり右方面の黒模様化も削いでいます。

    最後の黒22は厚く立派な手。上辺が黒の勢力圏なので四子局として

    がっちり勝てそうな雰囲気です。

    ◎今回は比較的戦い少なき内容でしたが最後の右上の応酬、考え方など

    これからの実戦に必ず役立つ有益な一局だったと思います

    今年も受けて頂き有難うございました。もし機会ありご都合良ければ後一回

    指導碁成立するよう期待しています。