栗林四段・積極性評価の序盤

  栗林さんは堅く守りの碁だったが積極性が前面に出ていて今後が楽しみ。

  本局はそれが裏目に出た箇所あったけどこの姿勢は大事。高く評価します。

右下白這いにどう打つか【黒番】

分岐点、黒AかBか二拓

     右下白三々に黒40、42は積極的。白43スベリに黒44が最善対応。

     白45這いまで定石。ここで黒Aハネか黒Bノビどちらを選びますか。

第一案:地は与えるが攻めで勝負

     私は黒1ハネを勧めることが多い。白2、4で白地は与えますが

     黒5と一子確保し下辺白へ迫ります。白△逃げにこれ以上攻めは

     せず黒6(令和人気シマリ)で白の出方を待ちましょう。

     右辺の白地は大きいようだが増やすと下の白へ影響します。次に

     黒からイのボウシやロの攻めが楽しみ。打ちやすいと思います。

地は拒否。攻められぬよう厚く進める

    黒1ノビも良い手。ただし白2トビは打たれます。右上白厚みを配慮し

    黒3、白4交換から黒5と補強は絶対。まだ強くないので補強するなら

    黒aが正着。なお黒イは急がない。白ロとなり白×が生じるので注意。

オサエからカミがお勧め

    左上白三々にオサエる方向は上でした。黒1、3は手厚い定石です。

    続いて想定を少し。黒9、11が良きリズム。実戦よりお勧めです。

▲方向にツケは互先手。カミなら万全

    二間高バサミ▲にツケるほうが互先では多い。今の主流は白2々で

    黒3、白4が定石です。黒5は必ずではないが手厚い一着。

『一間守り』が形・白の攻め伺う

     上に入ったのは積極的だけど右上隅が封鎖されたので不賛成です。

     ツケヒキの後の隅守りは黒1一間が正着。白2に黒3で堅さが安心。

     白4分断なら黒5トビ。次に黒aが狙いとなります。

有力だったドライ戦法

     実戦の白△に対し真面目に黒11と左側と連絡されたが有力案発見。

     黒1切りから黒5まで白二子取るのです。白6まで外の黒が痛むけど

     黒7から圧しつけ捨ての処分。黒13まで左の黒●に良き肉付きの地。

     上の黒×泣いているけど黒イ、白ロが相場なので白地増えは案外少ない。

     有力だった捨て石案を紹介しました。

      

例え負けても戦う姿勢は大事

 ◎お疲れ様でした。右下で「勉強だ。」とハネ出しされた積極性が仇となり

  苦しそうな碁形になりました。私に二連勝し五段昇段した栗林さんなので

  手を緩めずに鍛える主旨で白は厳しく打ち進めています。

  24日(土)研究会で今年ラスト。ご都合良ければいらして下さい。