加藤六段三子局

      10日の研究会指導碁加藤六段三子局。先ず私が感服した後半場面から。

     左辺白△手入れし生きたところ。打たれたら困るなと思うところに

     来られました。大人の碁になったと感じた一手です。

     画像で発表します。予想して下さい。

本手のツギ

     そっと黒1とツガれました。正解です。これで下辺一帯は全部黒地。

     上が少し空いているが50目強確定です。加藤さんの棋風なら上を

     止めて全部白地と主張すると予想していたが・・・5年前はたぶ

     打っていたでしょう。それはそれで難しいのですが・・・

切り入ると只では済まない

     中央黒1が見えた方は強い。×断点防ぐ白2なら黒3で境界線を

     目一杯に止めることが出来ます。これで全部黒地なら正解ですが

     白4切りが煩い。黒5、白6、黒7で白から後続手段無ければ

     良いけど白8が手筋。×断点を守らなければならないが・・・

コウ味あり無条件では取れない

     黒1、3よりないが白4がサバキ筋。これでほぼ手になっています。

     中央止める手は勇猛なので悪いとは言えないがこの図で勝負の自信

     あるならば評価しましょう。

この対応なら最大右上に回り優勢

     白1ツケが実戦。対し普通の黒2オサエで良かった。白3といちゃ

     もんつける予定でしたがここで盤全体を俯瞰します。黒4妥協が賢明。

     白5を許し悔しく見えるけど右上黒6!(30目あり)に回れます。

     白7と受けたら中央黒10~14囲い。地合いはかなり黒がリード。

     優勢より勝勢かも。事件発生したのが実戦。

火種勃発

     碁は生き物。安泰な時間帯にふと危険が出現するときあります。

     安全にと黒2が実戦ですが白3と反発。この手は非常識ですが

     荒らし合いなら白に分があるとの意図で主張。

     どうなったか最後に画像で。では素晴らしかった序盤をお見せします。

天元活用目指すカケ

     黒の初手は天元でした。三子指導碁で打つのは度胸あります。白3

     三々は一種の気合。白7まで普通。ここで即黒8カケ。なるほどと

     感じました。白出切りは戦いになるが天元と右上星がフルに働きます。

     白9、黒10交換で白11ワリウチはツイでもらい戦わずのあまし策。

黒の頑張り・白に軟弱な一手

     黒1ツメは切り来なさいとの主張。ならば白2切り。早くも火花が

     散った瞬間。黒3は頑張り(別法あり)白8まで進む。この進行は

     白やれると見ました。黒9といったん根拠。では柔で包もうと白11

     w大ゲイマでしたが黒11トビが好手です、白あまかった。

     ◆次に黒イ分断、天元黒Aを活かす黒ロが見合いになっています。

ツケ二段で厚くが最適

    ここは柔でなく白1とツケてサバキ求めるべきでした。黒2に白3の

    二段バネです。対し黒我満受けは白厚くなり天元黒Aが霞む。なので

    黒は①辺アテか②中切りを選ぶと思うが実戦より白は勝りました。

黒良しのワカレ

     天元割る白23を選んだが黒24分断が厳しい。白25は流れですが黒26と

     目一杯に白一子捕獲。左辺一帯が結構な黒地になりそう。このワカレは

     黒良し。ただし白は右上打ち込んで第二ラウンドへ。

柔の打ち方(参考に)

    白△ワリウチと準備して出切りされた時に黒一子捨てる手も有力でした。

    アテより黒1が良い手。白2に黒3とツメます。これも黒A天元を活かす

    作戦。実戦は頑張りの豪。これは柔。参考になればと思います。

    ◎お疲れ様でした。最後の波乱で残念局となりました。優勢→勝勢保ち

    がっちり勝ち切る。私が言う資格ないほど簡単ではないがそれを目指し

    頑張って下さい。最後の波乱場面数手だけ載せて終了します。

     

波乱の展開、右上にどちらが回れるかが勝負