池本六段三子局。
白模様へどう手をつけるかが大きなテーマでした。始めます。
黒10まで模範的布石。白11右辺ヒラキでは白Aだと
互先的です。放置された二間に池本さんは・・・
実戦で打たれた黒1カタから黒3ツケが最適手段です。
白4はハネコミツギが一般的ですが白4ブツカリも定石。
黒5、白6のとき手が止まりました。黒番で継続手は?
黒1二段バネが良い手。白2我満なら黒3に白4が省けず
黒は先手で押し込めました。直ぐ黒7シマリでも良いが
黒5二間構えで右下黒を動くぞが面白そう。白6なら
黒7を引き締め雄大な黒模様です。
黒1は白にカミ取られるのが気になりますが・・・
白2、4カミ取りには黒5単ワリコミが筋。白困る。
白1抜きよりないが黒2遮断が好形で気持ち良い。
白3~9と左上隅を確保し治まり一段落となります。
左下黒9シマリも良さそう。右上の白×が悲しげです。
上辺は切りコミから安全に止められました。ただ白生き形
得たので白23カカリに回り足早です。黒28トビが機敏。隅は
白29で損だけど前局的要点を黒が占め好調。白31に黒32は
大きさで負けないとの宣言。白Aも好点だが余裕なく左上へ。
白39、41は早生き目指す目的。対し黒42は凄い手。簡単には
治まらせませんとの気迫ある一手です。
◆白43、45断点強調していますが・・・黒の次の一手は?
黒1と左上連打が可能でした。白2切りには黒3、5が最善
対応です。白6~10アテが最強ですが・・・
黒1アテが冷静。白2ポン抜きを許し一瞬怖いけど平気。
黒3とノビた景色をご覧下さい。前の黒A・Bがポン抜いた
白を睨み、まだ弱いぞと主張していますね。
白×は天に既に召されています。黒チャンス場面でした。
左側は白Aで一段落。少しあまかったけど黒先手。
右の白△構えをどこか削減したい。下地案を紹介します。
黒1とツケたい感じします。ただこの手は変化が膨大。
黒が悪くなる可能性あるのでここからは参考程度に。
白2ノビはサバかせないという意図。ならば黒3と
右下隅の黒一子捨ての方針を採ります。白4なら黒5、
白6は必然。そこで黒7と強気に行く。白8なら無難。
黒9、白10一つキカシて黒11カタで削減に向かいます。
この展開は双方不満なく互角に見えますが如何でしょう。
白2ハネなら黒3とオサエ。白4、6で単に白6なら
黒4ノビで形良く進出します。黒7に白8追及は当然。
ここは囲碁十訣の『入界宣緩』界に入りては宜しく緩やか
なるべし精神に則り早生きが望ましい。以下は一例。
普通の黒1が悪いとは言えない。ただ白2トビとなり
白△が微笑みます。以下想定ですが二眼作りが面倒で
逃げることが白へポイントを与えそう。
◎「先生にはいつも打ちたいところに先行される。」との
感想ありました。その通りでがめつくすみません。白が阿漕の
場合は遠慮なくお灸をすえて快勝譜を。期待しています。
お疲れ様でした。