S氏三子局 

        S氏三子局。前回体調理由でお休みされました。まだ万全でないと

        思うが内容は棋風通り自分の碁を打たれていたと思います。

        終盤の死活場面が相当難解でした。では序盤から。

スベリこの一手

        打たれたのは黒1スベリ。二線ですが白から止められる 

        のが大きくこの一手に近い好点と感じました。

        では右辺開拓と白6、8と構えたら!黒9打ち込み。

        左上構えなど大場もあるが積極的ですね。白10はサバキ

        をさせない、外も出にくくとの意図(辺のツケ二段など)

        黒11スベリに白12、14はモタレ攻め気分。ここで黒は・・・        

アテ一本で先手取る手法

         お勧め手段は黒1アテ一本で黒3を急ぐ打ち方です。

         白4は許すけど黒5。白6にも柔の黒7と対応します。

         簡明ですね。打ち込み石を安定したいとき有力です。

黒悪くない進行

        黒1は力み。白2に黒3ではあまり頑張っていません。

        白4とツケて白良くなりそうでしたが黒5ハネに白6

        ノビが重い。黒7に白8と力んでいる間にささっと

        黒9~17まで進出されてしまった。黒19まで×断点も

        ほぼ消えて黒21まで万全。白変調ですがS氏お見事。

白の反省・相場図

        白1ヒキで封鎖するのが相場でした。黒2には白3と受ける。

        続いて黒aかbかcどれを選ぶか悩むでしょう。元々右下は

        裾空きだったので荒らされても苦にならない。今はわかる。

強硬手白ツケ!黒の分岐点

         白1三々と地に辛く打ったが黒6まで黒順調な歩み。

         下辺白7ツケは必死な気持ちで打ちました。さて黒は?

穏当策有力

         あっさり黒1ヒキが賢明でした。白2に黒3と上から

         削減が黒補強も兼ねて佳き手となる。反発した実戦と

         この右下黒地を見比べて下さい。

反発結果は黒少し辛いワカレ

        黒1ハネ出しは勇猛。S氏シノギ強いので打つと予想して

        いました。ただ黒11までのワカレは右下黒地が大幅減。

        下辺黒には一抹の不安が残るので損だったでしょう。

        上の白14消しに黒17、19と反発したのは黒一団への応援も

        兼ねたもの。ここからも頑張りを見せます。

        ◆では一気に終盤死活場面へ。

取りかけ決行(理由は最後に)黒先?

地合い勝負で行くか取りに行くか悩みました。ヨセ勝負に賭けることも可能でしたが

左上隅に火種(黒先コウ)が残っていることがわかり白△決行です。黒先シノギは?

唯一のシノギ

  白1眼取りに黒2単ノゾキが最善のようです。白がどちらをツイでも単に切る。

  白は分断したいけど・・・

単サシコミがシノギの妙手

  白3、5には黒6と切って黒8と中にシノギを求めます。白9が最強ですが

  黒10サシコミが絶妙手。上の白一子を助ける術がありません。

  ◆ここまでヨミ切れたら間違いなく二子、いや先の手合いでしょう。

左上は黒先で本コウがある

 よって取りに行くのは無理なので白1オシを検討していました。黒2生きに

 白3が良き代償。少し足りないがヨセ勝負なのでこの道を選ぼうかと。しかし

 左上隅に黒先で手があるのです。黒4、6と工作し黒8とハネるとどうしても

 コウは免れないようです。しかも本コウ。これが取りに行った理由です。

 ◎もうひと踏ん張りだった惜敗局。体調良くなった来月ですね。そうだ!この碁の

 数時間後、Aプロに指導碁を受けられ見事8目の勝利。四子とはいえ立派です。

【追加図】攻め合いになる変化

  初手黒1に白2と受ける変化を追加します。黒3、5に白6と行継差ぬ態度で

 来るなら黒7、9と白の薄みを突く。白10で切れず白14まで生きているけど

 黒15サガリがある。どうする?と問います。眼を奪えば白も無くなる。攻め合いに

 なるが食えおは望むところです。