左上の黒4一間は本人も語っていたが珍しい。S氏は数年前から
二間受けの愛好者。久しぶりで気持ち変えてとのこと。下には
黒6や黒8など普段の雰囲気。以下双方堅いトビ合いです。
S氏との一局で私が中央を占めることは比較的珍しく気分は
良かった。黒24!その前のあまそうな黒22など『手厚いS氏』
と命名した雰囲気表れています。白25は同点を黒に置き換えると
その差は大きいと見ました。それと次に左下白三々が狙い。
直ぐ察知され黒26。右上打つのもあるけど賛成です。
さて白27堂々カカリに黒28、30は当然。ここで白31が予定手。
黒14・16・18薄くないですかと主張しています。
もし黒1と受けたらガックリ。白2で白楽です。石がだぶり
序盤の黒▲働くのは大分先になるでしょう。S氏は当然
根拠を揺さぶる黒1。上が心配でも気合的にもこの一手。
私は熟慮。いったん白aなら温和で正しかったようです。でも
分断し戦っても打てるならいざ勝負と白2を決行しました。
白12までほぼ必然。白は希望通り右下▲を分断しました。
しかしその反動で右上白数子弱体。双方後一手打たれると
危険というか取られそうな状態になっています。ただし
物が大きいのは黒▲。ここで生きを目指すならば・・・
黒1~11まで治まる一例。白6と左下へ悪影響。右下も
三々消滅し白地。右上ですが白12~16のコウサバキがあり
白の負担は小さい。これは白にとって夢のような図。
S氏は苦しい生きを強いられるのは一番嫌うタイプ。なので
黒1反撃は来ると予想。ただし白8まで進み白イがあるので
黒ロと切れません。序盤で投資した白aがシチョウアタリに
なっています。これは▲一団のシノギだけでなくなり問題増え
白いけそうと感じていました。ところが・・・
★11手後に黒の絶妙手が放たれるのです。
白1抜きに黒2アテは気持ち良いところ。黒4ハネには注意。
右の白五子×分断防ぐため白5と受けなければならない。黒6、
白7と団子にして見た目は黒良いけどこれから困るでしょと
受けて次の手を待っていました。黒×は黒aで白△が働いて
無理。ところがS氏凄い手を用意していたのです。
痺れました。妙手黒1ハネ、S氏は閃いたのか前からヨンで
いたのか。私は見えてなかったです。ここで序盤あまそうに
見えた左上▲が大活躍。シチョウアタリになっています。
白は右側×断点の借金がありうかつに打てない。打開策は?
白2切りは黒3ツギ。中の黒六子はアタリになるけど
全てのシチョウは大丈夫。すると白4が省けないが右の
黒5切りで種石取られてしまうのです。
どこも切らずに白2タケフ受けは如何。やはり黒3。
白イは黒ロで黒1が邪魔しシチョウになりません。
白2、4は苦肉の策。黒5シボリを喰って・・・もう解説
する意欲なし。右下黒がどう生きるかが白の楽しみでしたが
雲散霧消。S氏お見事で天晴。イ・ロが泣いています。
絶妙手に気づかず平凡な黒1は白2と守る。それから黒3
ハネ出しには白4タケフ。黒5ツギが省けないが白6と右下
黒一団に襲い掛かります。これが予定でしたが淡い夏の夢。
◎中央感覚抜群でヨミも深くなってきたので今後が楽しみ。
次回は先で。よろしくお願いします。お疲れ様でした。