浦安碁会・宮島氏二子局

   宮島さんはあと一ヶ月で卒寿を迎えるそうです。お元気で碁も溌溂として

   素晴らしい方。本局は序盤が全てと言えます。では画像から。

黒番:白カケにどう打つのが良いか。

        良さそうな白カケですが黒に良い対応はあると思いました。

        ただ実際は難しい。後ほど検証結論を。

満を持しての打ち込み

         黒4は横だとピンとこないが昭和全盛だった高き中国流。

         その精神は焼き餅焼いたら攻め立て主導権。なので白5と

         外カカリですが黒6は頑張った受け。白7ヒラキに黒8も

         迫ることで中国流を活かそうとの意図。私は堅い受けを

         好まないので白9大場、白11、13足早展開です。ここまで

         じっくりの黒は左辺打ち込み黒14。当然です。

黒打ち込みに白カド。どうする?

        浮かんだので白1カド。この手の注文図と心配した図あり。

黒三々受け、白ツケと進む。次は?

        実戦黒1受けは地に辛き対応。普通かも。ただし白2に

        黒イ・ロ・ハどれを選ぶのが良いか。分岐点です。

左下との連絡が最適

        左上白カドを活用させないなら黒1が良さそう。黒5まで

        左下へ連絡し出方を見ます。白6なら黒7と中国流拡大し

        つつ白への攻めを伺う。これは一押しの図。

実戦:気迫のワリコミ

         宮島さんの選んだのは黒1ハネコミ。気合感じました

         対し白イ、黒ロ、白ハは黒二とされ根拠なき一団。

         なので実戦は下から切りました。その進行の前に・・・

白の希望図

        白の注文図は黒1~5です。白6、8が石の流れ。黒9は

        気合の反発だが白10。黒11ノビ切りも光るけど白12で中国流

        消滅した感じ。この図少しですが白持ちです。

気合的推奨図

        局後お勧めしたのはカドを無視する黒1トビ。白2は許すが

        黒3、5で左辺は相当有利となります。白aと打たなかったを

        咎めるならこの図ですね。

ブツカリの豪手

        黒1に白2、4は問題でした。黒5を予想してなかったのです。

        黒5でアテなら一子捨てて下を連絡する予定でした。ブツカリは

        豪手で白サバけるかどうか・・・難しいです。座り直しました。

冷静な下側からのカケ

        実戦とは真逆の白1カケが良かった。白a防ぐ黒2オシに

        白3(a)切りから白5、7と左辺を破る。これは先手で

        黒8、10は攻め合い的に仕方ない。そこで白11ハネ。

        左下の黒が弱体なので左上を黒が大きくする暇は無さそう。

        捨て石だと左隅の白イ、黒ロ交換も悪くない。反省です。

冒頭場面:黒番

        逆のカケ白1は怖い変化多い。黒4があまかったので

        白9カケとなっては白はサバけそうな形になりました。    
        下手な動きは白模様を増幅させる。宮島さんもそう考え

        苦慮。私も黒の立場になり考えようやく結論出ました。

グズミが最善手

        これは普通の方だと浮かびません、黒1グズミが正解です。

        外の白を固めずに種石△を取る意図。対し白×逃げは黒Aで

        無謀。左上にも白弱石がありますから。白は・・・

相場のワカレ

        白2、4の利かしから6とハネ捨てるくらい。白10断点

        守りなら黒11囲いで調子良し。一応白12で模様も立派だが

        令和流の黒13カタで消して行く。相場のワカレだと思います。

        実戦は種石捨てる妥協策ですが流石に大きな損失でした。

        今年は良き内容多く本局はたまたま。次回はハッスルされ

        八十代最後の会心局を。期待しています。