A氏会心局

 A氏は初の方。立ち上がりは厚い棋風でゆっくり進むのかと思ったら戦いを

 起こされ力強さある石が張った進行に。その後、白に緩着。見逃さず一気に

 押し切られました。先ず最終場面見事に決められた画像からお見せします。

上は本コウ・下は白瀕死のコウ残り:万事休す

   白が無理をしたのですが見事に決められました。▲にツグ手がヨミ切りで・・・

投了場面:(左辺黒4コウ立て)

 白1、3でこの部分は白取り番のコウですが黒4と左辺にコウ立てがあります。

 ここが白全滅だと争う余地はありません。黒4では下のコウを取っても勝ち。その

 理由は(両コウで上か下の白一団どちらか取られは必至なので)

 では序盤からお見せします。

黒36まで文句無しの立ち上がり

        左下ツケヒキは昭和定石。互先だと黒8でツケノビが今は

        主流だが簡明で打てます。右下は黒が柔で的確。直ぐ一子

        動かず右上黒30賛成。白が少しあまかった感じです。

        左上白三々に考慮され黒38は予想外。この時点で左辺白は

        弱いので普通はサガリ。でも右下黒40動き出しは積極的。

的確に攻めないとあまくなる

       二子局だと黒1サガリが多いはず。白4までは必然です。

       黒5、7は先手だが決めずもある。代償を黒9ボウシか黒a

       根拠奪う手に求める進行になるでしょう。黒十分打てます。

       ただ忙しくなると右下▲を動く機会どうなるかは不明。

厳しい打ち込み

        白7まで進行は下辺白に薄みあります。白1は単に白3か

        斜め右下が本手でした。左上放置されたのでA氏は少し

        あまい方かなと感じ私に隙が生じたのかも。左辺白7のとき

        ちゃっかり左上に。白11は攻防の要点。このときはまだまだ

        楽しみある碁形と思っていました。続いて左下黒や中の黒を

        何か補強するかなと予想したら・・・黒12打ち込み!

        これは好手。次に黒イ、白ロ、黒×を見ています。

   石が張った進行(左下▲厚いとの考え)

        白1受けに黒2~白7まで決めたのは微妙黒8は堂々

        強気。私は▲厚くないと見ていたがA氏は昭和定石の強さ

        信じています。黒12カカエに白13は拘りでした。黒の眼形具合

        気にしたが単に白15が良かった黒16ボウシが天王山。

        ただこの時点で鈍い私に形勢悲観はない。左の黒薄いと信じて

        いたので。数手後にこじ開けて行きます。

せめぎ合いの行方

        白1からストレートでこじ開けにいったけど結果は全部

        繋がれてしまった。白3で別法あったけど黒は下の尻尾を

        捨てるのも可能。全体まとめて攻めようが白の構想ですが

        先ず下から伸びた白一団を安泰せねばならない。

勝着!二線ハネ

        白1ノビに黒2で受けたのが好着で強い。右の黒断点を

        密かに狙っていたけど消滅です。白完璧連絡ではないが

        白3と左下を封鎖黒4、6は妥協だがあまり欲張らず

        堅く治まるのは大切です。ここで白9が大失着。

白の反省(食いつくべき)

        手抜きや反撃を恐れたけど白1サガリは打つべきでした。

        確実に眼を確保するなら黒2、4くらい。まだ100%二眼

        ではないので少しだけ不安残るはず。その具合を横目に

        本手白5と打ちます。でも黒6と最大好点回られると

        黒かなり優勢。白が追いつくのは大変だけどこの図で

        勝負するよりなかった。

分断は黒も怖いはずと開き直る

       A氏が大人しく生きるとは限りません。黒2と分断して勝負

       する可能性あり。ただし白15まで想定してもこれは乱戦で

       黒も相当怖い。白大石いざとなれば下にコウ眼作り手段の

       保険があるので。優勢なので黒2など冒険しませんね。

       ◎普段二子置く方より段位が上の方。ですが初の方に負かされた

       悔しさが今頃ふつふつ湧いてきました。次をお待ちしています。