島氏四子局序・中盤

       研究会参加常連で熱心な島さん本当に有難うございます。

    本局は後半力出されましたが序盤で気前よく白に地を与えたため

    戦いを白が回避。そのため調子が今一つ掴めなかった感じです。

    先ず画像をお見せします。

右下から中盤戦へ【黒番

          右下で戦闘始った場面だが地の形勢判断してみます。

       左上~上辺にかけての白地が約30目。

       左辺~左下の黒地約14目。右下に黒地現時点15目。回りの

       二子や数子の白を楽させるとあまり差がない。

       これから緩むと細かくなるので黒は頑張りが必要となります。

       ◆実戦の前に左下白大石の強度がどうなっているかを。

捨て石作戦:壁を先手で建築

        黒1、3追及はどうなるか。白4と対応しそう。黒5なら

        白6進出か。この手は脱出か黒×数子取り主張しています。

        黒7は捨て石策。ただし白8と取られる。△を召し取るか

        相当な利益を得ないと心配ですね。ただ黒1~7まで壁が

        あると想定すると右の白を攻める楽しみは相当と言える。

二回手抜きは白危険

        中央黒▲無視し白1は可能。しかし黒2に手抜きは危険。

        黒4~8までイとロが見合いで二眼不可。

実戦進行:ここで黒どう打つか

        実戦黒1~白4に黒5はハザマ空いて打ち過ぎに思えたが

        中央に『前の黒壁の可能性ある』となれば白眼形を奪い

        炙り出すのは厳しい策手と言えるかも。そこで手裏剣白6。

        これは黒がどう受けるか伺う手。黒7、白8はキカシだが

        黒9は怖い手ここは力まず黒14の普通受けが良かった。

        白10は下辺手入れ促しているが島さんは反発の黒13と強気。

        勢い白16。対し引けば穏やかだが緩まず黒17オサエ。

        「白切りにくかろう。」との意図だが構わず白18切り。

        指の怪我忘れ双方意地の衝突。双方盤上忘我の境地。

        黒19、白20のときに黒には有力手段が二つありました。

黒1検討:しかし白にシノギあり

        ブログ作成時に浮かんだのが黒1。左右を見合いにする手。

        白2と二子取れば黒3オキから黒5、7と白大石の眼形を

        一眼に出来る。白にシノギあるか検討したら白8、10あり。

        黒11が仕方ないので以下白18まで生きです。実戦の黒Aと

        黒1が加わっても白一団はしぶといですね。もう一案は・・・   

上を切り利用する図

        黒1、3出切り案。連れ出し防ぐ白4は省けない。そこで

        急所黒5アテを決めて実戦の黒7と打つ。左下に黒イ、白ロが

        利く関係あって白8は省きにくい。対し黒9と対応します。

        見ての通り上の白数子心細い姿。白10は黒11でかなり苦しそう。

        攻める過程で中央へ黒×が加わると左下白大石が危険になります。

        ◆上出切りなら構想適っていました。    

中央囲いならヨセ勝負

        大分進行した場面で黒番。

        実戦は白地多いと判断し上辺荒らしに向かいました。

        しかしここは黒1と囲って勝負してみたかった。白2で隅と

        上辺は全部白地になるけど黒3、白4交換から黒5と打つ。

        中央黒地は結構大きい。ヨセ勝負ですがこの選択が良かったと

        思いました。最後にポイントの序盤左上少々触れます。    

二段バネはキカシ。決めたかった

         実戦は単に黒5と補強し白6連絡。この進行は黒あまかった。

         正解は黒1、3二段バネ。白4対応で生きとなるがそこで

         黒5でも大分違う。もし白イの切りなら黒ロ、白ハ、黒二と

         分断出来る。白×が痛むので黒は嬉しいですね。

         ◎島さんは武闘派なので細かい損得には拘りません。でも

         後半の戦いまでに地合い頑張っていると相手に圧力がかかります。

         その具合も習得されて強五段から上の道へ向かって下さい。