浅井氏三子局

   浅井さんにはかつての特訓教室(本郷三丁目八重洲)でメンバーとして

   本当にお世話になりました。田町研究会の頃は六子で現在は三子です。

   内容も立派な三子局になってきました。先ず画像を。(白側から見た盤面

左辺黒の出。力発揮場面

これぞ三子・切り違い(右下)

  完璧な立ち上がり。白切りへの対応は?

         右下は一間高バサミ定石。指導碁・対局で相当な数を

         打たれ体に沁みついての習得。右上白カカリに黒26まで

         文句無し。さて捨て石目的の白27切りにどう打つか。

白の嬉しい図

        黒1、3と取ったら「三子ではあまい。喝!」言いそう。

        白aやbの利き生じ白強くなり白6と強気で打たれる。

鋭い対応『アテてオシ』

         黒1は当然だが黒3は「おっ。」です普通は下這い。

         黒3は攻め合いのヨミが入っています。白は効果的に

         利用したいと白6切り。黒7を誘い白8は隅三々を

         見ています。さて分岐点。黒イか黒ロか

攻め合いは黒取り番のコウ

        隅を黒1と頑張るとどうなるか。白2、4の筋で

        攻め合いになります。黒7とアテて白イ抜き、黒ロ

        ツギ、白ハ、黒二まで結果は黒取り番のコウです。

        ただ右上隅に白ホと絶好のコウ立てがある。黒嫌ですね。

堂々たる進行

         黒1抜き。一応白2~8まで治まり白も先ず先ずだが

         黒9、11と押しつけに回り厚き進行白12シマリに

         黒13ヒラキでは黒14取りが実利厚さで大きかったが

         黒15と補強し後の右側白分断を見ています。

         数手後、白30のとき黒31、33が三子資格者の手段。

逃げ出す手もあった

        実戦は一子捨てて左辺黒強化を選ばれました賢明で悪く

        ないです。ただ逃げるとどうなったか紹介します。黒2です。

        白3は4からアテれば無難だが上手は強気で分断したくなる。

        ◆黒4に対し白イか白ロどちらを選ぶか。

 成功図:ただし回りの黒の今後に注意

        白1逃げなら黒2、4が良い手。以下黒8切りと進む。

        必至の白9、11に黒12、14で上辺は生き。白地荒らして

        一応は黒成功です。ただ白が厚くなったので左辺の黒や

        右上の黒を攻めるでしょう。それを耐えれば大丈夫です。

この変化は黒成功

        白1アテは黒2抜き。白3~5が必然で黒8抜きで生き。

        白9省けず黒10の補強にも回れます。はっきり黒良し。

  大チャンス場面:(白2~8やりすぎ)

黒番:最善手は?(勝利手)

         一気に勝負所へ。左下の黒集合体凄い姿。いくつか黒に

         問題あったのですがその後、白は調子に乗ってやり過ぎし

         黒は咎める大チャンスが到来しています。

         黒番次の一手は?

遠慮なく全部召し取れた

        黒の手を待っているとき気がつき青褪めていました。もしも

        黒1とオサエられたら三子初勝利だったでしょう。白2、4と

        黒▲とられますが念のため黒5ツギぐらいでも白×一団に二眼を

        作るスペースない。私も浅井さんも▲が種石と錯覚していました。

実戦:本当に残念

        ◎白は冷や汗の勝利でした。浅井さんは惜しい碁を逃して

        残念でしたが内容は頑張っていたのでこれからを期待したい。

        最後におまけで中盤からのお勧めの打ち方を伝え終了します。

中央配置しじわじわ迫る構想

        上辺黒1、白2交換は一本だけで白×打て無くしてお得。

        白2受けは手抜き可能だがしずらい(黒2が先手約13目)

        そこで黒3と中央に配置。右上黒A分断と左下黒B絡み攻め

        二つを見合いにする構想です。実戦の黒イ、白ロ、黒ハも

        型の一つだが黒3のような「相手に手を与え迷わせるような

        中央配置」も浮かぶと碁の幅が広がる。参考に。

        今年もお世話になり有難うございました。良いお年をお迎え下さい。