先ず画像を。黒の二手目に驚きました。島さんは知識でなく打たれたそうです。
打たれた瞬間「芝野プロと井山プロとのタイトル戦で打たれた手。」と声が出て
「島さんご存知でしたか。」と伺ったら「全然。」との返答。調べてみると・・・
昨年の棋戦。井山プロの両ガカリに芝野プロが●ハサミ。ここから・・・
その後の進行数手お見せします。戦闘が延々と続きました。指導碁実戦は・・・
競り合って双方中央へ進出しています。一手だけ黒に
悪手がありました。「先手だけど打ちたくない手」
名人戦対局では黒aとツケ進出でしたが島さんの黒6、8は
自然で良いと思います。白9は態勢整えた手。黒は分岐点。
上の白一子黒1と封鎖し手を打つ事可能でした。白2は
お返しだが黒3と三々は黒が占める。白4なら黒5まで。
◆元は白が両ガカリしたことを思えば取り合いは黒十分。
ですが『攻めが命の武闘派』なので流儀ではないかも。
黒1、3ツケノビは少し白を強くしている感じ(次図お勧め)
黒13の左辺守りは冷静。白14は力み攻めで良くなかった。
黒15オシ良し。黒17が残念。そこは薄くなかったのです。
攻めはケイマ。実戦と比べ白△がひ弱に見えます。
確かに白分断気になります。黒1、白2先手で打ってから
黒3オシが良かった。白4ノビなら黒5要点を占めて攻勢。
◆黒1白2交換は上の白は強いので固めても気にしない。
右上白を取り来られました。ここに至るまでの左下で大損されたので頑張ら
なくてはとの想いだと察します。しかし外の黒がもう少し強くないと難しい。
黒1、3と眼を奪う。しかしプロはこのようなシノギは
かなり得意。白4切りから単に白6出がシノギ筋。黒は
持て余しています。取るのを断念されたのが実戦。仮に
黒7だと白16まで。次に黒が白二子取ると石塔シボリで
攻め合い負けになります。
黒1で有力案あり。準備策と賢明策です。
隅を取りに行く前に黒1ハネ一本案は如何でしょうか。
白2と受けたら実戦と同じく黒3、5。難しいけど
前図石塔シボリの筋は回避しています。取れるかも。
ハネに受けず白2なら黒3ノビ切り。きつい手です。
全滅避ける白4は仕方なさそう。そこで隅黒5と戻す。
白6は必要。調子良く黒7と数子もぎ取りとなります
隅の白を生きられても十分過ぎる代償ですね。
◆準備のハネは有力ですがお勧めは次の賢明策。
盤を俯瞰すると右下も大所。右上は譲っても良いと考えて
黒1とやんわり打ち白2と生きて頂く案。先手なので
右下黒3と隅の地を確保。ここの利得右上に負けていない。
◎工作や準備せずストレートパンチが持ち味の島五段。
とても魅力ですがうまくいかな時は【準備策や賢明策】も
使いこなすようになると幅が広がり相手に考えを簡単に
ヨマせない効果もある。棋風に取り入れ頑張って下さい。