島五段四子局  

   先ず画像を。黒の二手目に驚きました。島さんは知識でなく打たれたそうです。   

白両ガカリに黒ハサミ

  打たれた瞬間「芝野プロと井山プロとのタイトル戦で打たれた手。」と声が出て

「島さんご存知でしたか。」と伺ったら「全然。」との返答。調べてみると・・・

第48期名人戦第二局 黒:芝野名人・白:井山挑戦者

  昨年の棋戦。井山プロの両ガカリに芝野プロがハサミ。ここから・・・

続きの数手:戦い続く展開に

  その後の進行数手お見せします。戦闘が延々と続きました。指導碁実戦は・・・

こちらも忙しい戦いへ

        競り合って双方中央へ進出しています。一手だけ黒に

        悪手がありました。「先手だけど打ちたくない手」

双方戦闘宣言

           名人戦対局では黒aとツケ進出でしたが島さんの黒6、8は

        自然で良いと思います。白9は態勢整えた手黒は分岐点。

 取り合い・ほぼ五分

        上の白一子黒1と封鎖し手を打つ事可能でした。白2は

        お返しだが黒3と三々は黒が占める。白4なら黒5まで。

        ◆元は白が両ガカリしたことを思えば取り合いは黒十分。

         ですが『攻めが命の武闘派』なので流儀ではないかも。

薄く見えるけど決めずが良かった

        黒1、3ツケノビは少し白を強くしている感じ(次図お勧め)

        黒13の左辺守りは冷静。白14は力み攻めで良くなかった。

        黒15オシ良し。黒17が残念。そこは薄くなかったのです。

ケイマの攻めが最良

        攻めはケイマ。実戦と比べ白△がひ弱に見えます。

上のキカシは打ち易い

       確かに白分断気になります。黒1、白2先手で打ってから

       黒3オシが良かった。白4ノビなら黒5要点を占めて攻勢。

       ◆黒1白2交換は上の白は強いので固めても気にしない。

勇猛の取りかけ・果たして

 右上白を取り来られました。ここに至るまでの左下で大損されたので頑張ら

 なくてはとの想いだと察します。しかし外の黒がもう少し強くないと難しい。

直接取りかけ難しい

         黒1、3と眼を奪う。しかしプロはこのようなシノギ

         かなり得意。白4切りから単に白6出がシノギ筋。黒は

         持て余しています。取るのを断念されたのが実戦。仮に

         黒7だと白16まで。次に黒が白二子取ると石塔シボリで

         攻め合い負けになります。

          黒1で有力案あり。準備策と賢明策です。

ハネ一本準備なら可能性あり

        隅を取りに行く前に黒1ハネ一本案は如何でしょうか。

        白2と受けたら実戦と同じく黒3、5。難しいけど

        前図石塔シボリの筋は回避しています取れるかも。

ノビ連打強烈・代償に満足

        ハネに受けず白2なら黒3ノビ切り。きつい手です。

        全滅避ける白4は仕方なさそう。そこで隅黒5と戻す。

        白6は必要。調子良く黒7と数子もぎ取りとなります

        隅の白を生きられても十分過ぎる代償ですね。

        ◆準備のハネは有力ですがお勧めは次の賢明策。    

賢明策・あっさり生かし、右下確保

        盤を俯瞰すると右下も大所。右上は譲っても良いと考えて

        黒1とやんわり打ち白2と生きて頂く案。先手なので

        右下黒3と隅の地を確保。ここの利得右上に負けていない。

        ◎工作や準備せずストレートパンチが持ち味の島五段。

        とても魅力ですがうまくいかな時は【準備策や賢明策】

        使いこなすようになると幅が広がり相手に考えを簡単に

        ヨマせない効果もある。棋風に取り入れ頑張って下さい。