浦安碁会幹事の伊東さんは勝負所では緩まず最強に戦う力をお持ちです。
本局は部分的に損でも全体構想での勝負を求められました。大胆に感じたが
盤上全てが一貫し立派に成立・成功していたと思います。ではその画像を。
左上白サガリは最近の二子・三子局で試みています。足遅いが頑張った手。
黒から打ち込みや仕掛けあるがそれは歓迎との意図。これからの研究題材。
黒は左辺二間なら堅いが三間も立派な手。トビ大きいので白ボウシは逃せない。
左下は予想しない振り変わりに。「良しこの碁は実利で。」と上辺も這って稼ぐ。
伊東さんはどうぞ「お取りなさい。」と静かにノビ。この碁の骨格が決まった瞬間。
まさか右下も。黒の大胆作戦に驚きと感服の場面
黒10大場では黒11トビも有力。白ボウシは私的にこの一手。
対し黒ケイマはちと受けにくい。白三々が見え見えなので。
次に上辺打ち込みを予想したが黒12!AI提唱の五線
カタですが今は立派な手と評価されること多い。この場面は
白13、15で取りあえず白満足。先手取り白17ケイマへ。
黒18は穏やか別法もある。白19に黒20切り違いは当然です。
白21は最強ですが黒22ツケは意外でした。白23アテとなり
ポイント得たと思います。黒22は黒aが最強対応でした。
黒1オサエは白2が怖い感じあるけど黒3アテで大丈夫。
続いて直ぐ白10ツギだけど黒12で芳しくない。なので白4、
白6と捨て石を使う。黒9と取らせ白8に石が来たことで
白10を有効に出来ます。ただ黒11~15と素直に打たれそう。
左辺二子得た黒は手厚いし下辺も良き模様。少し黒良しか。
逃げない案もあるが黒1選択。隅を犠牲にされましたが
黒7で打てるとの判断。私の常識では隅▲痛み白良し。
白8は白10キカシ&味残しの意図。ただ白aは活力無しに。
実利で圧をかけようと上辺稼ぐけどさらに黒手厚き進行へ。
ちらっと白1浮かんだけど黒2ポン抜きされます。白3連打
には黒4と上辺破るでしょう。この進行白嫌だと思いました。
ポン抜き効果は左下黒aが打ち易くなること。白イ切りなら
黒ロ、白ハ、黒二まで。洒落た削減ですね。
左一帯は一段落。左下は全部白地ではなく▲活用し黒イと
打つ手段あり。白ロなら黒ハ、白二、黒ホで生きています。
実戦は右下へ白1カカリ。このときはぼちぼちと中の厚み
消して行こうと。黒2ハサミは高い方が勝る感じします。
白3はツケノビ進出が目的でしたが・・・黒4!ハネ出し。
普通は暴挙手。白5、7と応じた時、黒8を見て意図理解です。
白9~13まで必然で隅を捨てる大胆策。余程の場合でないと
黒損ですが中央大模様に賭けた構想。発想が素晴しいです。
今までの流れ・全体からの選択でついに黒大模様出現。
◆白14動き出しは強引さあるが私の棋風。黒どう打ちますか。
検討で黒1に落ち着きました。大模様大事に素直な手です。
白2ノビには柔らかな黒3。白ここからどう打つか。
上の白△とは遠距離なので工夫し繋がりに行くか、苦労し
二眼作るか。下手すると潰れるので悩みます。
黒は先手取り左下の黒イに回って白ロ、黒ハ、白二と打てば
中央大模様完成となるでしょう。90目はありデカい。
伊東さんは黒1ハネ。白2マガリには考慮され黒3。先の
図に負けず良き打ち方。白4マゲに黒5カケツギならば順調
進行でした。なお黒3でオシて行くのは白を取りに行く意図
だが白に堂々とノビられ失敗したら負け。逃げてもらう方が
賢明な態度だと思います。
◎数手後、大ポカ出て残念局に。序盤から描いた構想が見事に
結実しそうな展開だったので本当に惜しかった。
来月3月24日(日)もよろしくお願いします。