加藤六段三子局一場面

         本局立ち上がりこそ奇抜手が出たがその後は無理なく

         隙無し対応が連続し本格派今井七段かと錯覚したぐらい。

         先ず中盤開始場面をお見せます。

 出題図:黒番で次の一手は?

                                最大実利右上に回ったところ。黒番でどこに打ちますか。

           検討に加わった今井さんは一瞥即解。解答は後ほど。

ここで加藤流。(普通はA~D)

         左上は相ゴスミ。左下は基本定石(黒12は省くも可)

         右上白15、17は三々に受けたら黒14をハサんで戦おう

         との目的。察したのか、閃いたのか、知識かAIか、

         次の手には驚きました。見たことない。初です。

斬新発想のカタ(出方伺い)

       黒1左右黒どちらとも離れた手。「兼ねた手」なのか。

       閃きだったら天才的。白イかロか白の出方を伺って黒の方針を

       決める意図と察しました。なお今白×と打つのはぬるい。

ツケに剛腕分断

        外ハネ予想してツケたら黒1ハネ出しです。早かった。

        白2に黒3、5と行くしかないが剛腕。見た目は無理です。

        白6まで黒×痛むからだが気にせず黒7切り。白8に黒9と

        右上は犠牲にしてここで頑張るとの意志です。振り変わりは

        面白くないと最強白10切りを選択。激闘開始です。

        ◆しかし今思うと左上黒コスミ+左辺黒頑丈石が控えている。

        白は穏やかな道を選ぶ方が良かったかも。加藤さんにはつい

        魅入られたように混沌世界へ導かれてしまいます。

右上我慢し黒攻勢へ

         忙しい接触戦ですが黒攻勢。右上で白は得したので

         やり過ぎは禁物です。黒21、23とやんわり包み込む

         感じの時に今井七段の印象受けました。眼を奪いに

         行かず辛い生き手段を打たせポイントを得る感じ。

         我満の黒13で白二子取りに行くのも可能。次に。

隅頑張る図白×の具合

        これで何事もなく取れていたら黒良し。しかし白×具合を

        横目に白6と打ちます。隅には白×手段が残っています。

黒有利な二段コウ

        白1切りから白3と捲る筋。黒a抜き、白bアテで

        一応はコウになる。このコウは白が勝つまで後二手

        必要なので『二段コウ」本コウより黒有利です。

        もしコウに負けたら上の黒に影響あるが・・・しかし    

二本這い打てば黒攻め合い勝つが・・

        前図の二段コウを避けることは可能。黒3、5と二本

        這いを打つのです。白4、6は仕方ない。攻め合いは

        黒勝てたが白8に回れる。右辺白イ、黒ロも利きそうで

        実戦とは真逆ですね。白が攻勢に立つでしょう。

冒頭画像場面 【黒番】

        辛かったが我慢し白13まで生きたところ。黒14白から

        ハネ出しあるので必要だが先に黒イ、白ロ交換したかった。

        漸く冒頭画像となりました。黒番で次の一手は・・・

先ずオキ一発

        左上白手抜きを先に咎め黒1オキが正解。対し白aは

        黒bで危険。白は右側ヘシノギ求めます。

地を稼いでから右下シマリ

        白2、4は薄い連絡だがシノいでいます。しかし隅の

        白地は消えて黒実利相当増えました。△一団はほぼ生き

        なので繋がらせても良いですね。作成した後に気づいたが

        白2では一路右ハネが勝る。同じく黒3に白4で厚い連絡。

        仕事して黒5シマリまでを正解とします。なお左上を早く

        決めないと白から二線コスミヨセがトビ込みを見て大きい。

        

        ◎この図を逃したのは残念でした。来月こそ会心局を!