島五段四子局

       浦安碁会ラストは島五段指導碁。早く初勝利をと期待しているが

       私が長所・短所を熟知したためか天元ある五子と違い攻めが

       空振りなどうまくいかないこと多いよう。この壁を突破すれば

       必ず道開けます。開眼するよう有益な考えや技術伝えたい。

 右下に黒手数・結果的には左戦い不参加

        島さんは稀な武闘派。ぶれない一直線な攻めは魅力あります。

        地合い勝利よりたくさん石を取って勝ちたい。アマ時代の

        私もそうでした。図の右下を見て下さい。黒イ・ロ・ハの

        三手は立派で白一子取り込み隅三々も封じて全部黒地だと

        25目+厚み。白にとって圧力かかり脅威です。でもこの碁は

        左辺~左下で険しい戦いが起こりました。そのとき右下へ

        手をかけた分、黒が強く打てなくなったのです。なので

        左方面は最強手選ばず緩やかに打ち右下方面で力出すという

        戦術構想を描きたかった。柔の考え方ですね。では序盤から。

勢力の要点ガリ

                   山崎五段指導碁と同じく白9オシを採用。島さんも厚い

        黒10ノビを選ばれ黒14。これも定石で別の道。白15に

        黒16は逃せない。流石です。白からケイマとの差は

        すこぶる大きく勢力の要点。対し白a軟弱なら黒bです。

黒6カタ好手。黒10カタは微妙

        白1~5は勢力で負けたくないとの対応。ここで黒6

        カタは厚い手法。両ガカリされた右上なので少々白地

        与えても良い。白7這いから白9ケイマはへこたれだが

        あまり相手を厚くしたくない時に採用します。さて次。

        黒10カタも一瞬良い手だなと感じました。白イと応じれば

        黒ロ以下黒二まで増々厚くなる。ただ白△捨て石策あり。

        ◆黒10ではもっと大きな箇所ありました。それは・・・

 来るべき戦いへの投資・中央ケイマ

        中央制覇の黒1オシからケイマが絶好点でした。右上黒を

        さらに強くし上辺白への攻めや地の削減にも役立ちます。

        左上黒への応援にもなる。後に左辺や下辺方面で戦いが

        起きたときも心強い味方。院生に入った頃にこの価値が

        理解出来るようになった記憶あります。以下は一例。

        右辺は黒イ~二と低位にした箇所なので白6ケイマは

        黒7と応じても大きくならない。黒Aも笑顔ですね。

実戦:右下で利得。左上サバキのツケ

        碁には気合優先したい時あります。黒2、4連打がそれ。

        本当は痛みあるが白×取らせたことで白△の価値上がる。

        それと白3!いわゆる千両マガリ要点から白5打ち込み。

        白勢力強で黒は苦しくなるだろうと予想していました。

        黒6ツケはサバキ手。白7ハネに対し・・・遡って

調和ならば二間・右下は白に促す

        白A尊重し左上二間守りなら穏やかでした。白×を動くのは

        白2が考えられるが黒3以下押し付けて黒11まで断然良し。

サバキの黒1・3お見事

         実戦に戻ります。私が感心した場面。白ハネに島さんの

         黒1ツケ。サバキですが今までの指導碁であまり見ない

         柔軟さ。気合で白2カミだけど黒3オサエが好形です。

         白イ、黒ロを相場と見ると上辺白地激減。ここは黒が

         黒が見事サバいたと思います。  

穏便手法・楽しみは右下方面で

        左辺で戦いが始まったときに黒1馬の顔が良かった。白2、

        白4には黒5と飛び越し白勢力警戒します。次の戦場は

        右下になりそう。この方面なら黒は思い切り打てますね。

右下方面に白石は後で【戦術】

   白が右下へ裾ガカリし黒地減らしたところ。もっと早いうちに手をつけて

   いたら主導権は黒が握っていたと思います。なるべく後にが白の戦術。

   ◎今月も研究会、浦安碁会両方参加有難うございました。明後日は

    横綱長南さん、大関に後一歩の今井さんが参加する予定です。

    24日(土)有楽町囲碁センターでお待ちしています。