島五段四子局・右下の折衝検証室

    25日の浦安碁会は指導碁五局。いつも本当に感謝いたします。

       先ず島五段四子局から。この碁は右下での折衝がポイントだったので

    その部分を詳しく検討・検証します。先ず画像を。

左上で接触戦中・これからが勝負

  左下厚さを活かす下ケイマ(黒14)の攻め

        立ち上がり黒6まで一間バサミ定石。さらに黒8、10は

        白11と代わり地は損だが厚さは増す。右下白13カカリに

        黒14裾払いは指導碁で初。隅から攻める感じ共感。続く

        黒16カドは互先的発想で厳しい。以下黒22まで立派な戦果。

        白23補強に実戦は転身し上辺の三連星。問題手でした。     

武闘派島さんに合っていた進行

        攻め継続して良かった。検討では黒イやロを伝えたけど

        互先的視線では右下▲の意志を継ぐ黒1コスミがお勧めです。

        白2には黒3と大きく地を囲い迫っていく。左の黒▲も活きる。

        島さんらしい進行。大場より急場。眼に焼き付けて下さい、 

一度屈してからの厳しい発想

        黒1三連星は大場ですが白2はそれ以上。黒3、5は隅の

        補強だがまだ白三々など味残る。黒7は良き辛抱だが・・・

        前図との差はあまりにも大きい。右辺黒石も割られています。     

        厳しく言うともう黒敗勢濃厚です。気が抜けたか左下白8は

        そっぽで右辺が良かった。黒9!!!実に鋭い一着。

相手を固めずの守りなら一間が基本

        ツケヒキは白を固めるので攻めたい気持ちある時は

        単に黒1一間が良い。黒A・Bとセット。白2補強が

        相場ですが黒3と今は守って白△への黒イやロを伺う。

         ◆隅は心配ないが姿が心細く感じる方もいるかな。       

  実戦はハネ出し。続いて黒3が好手でした

        島さんはハネ出しを敢行。続いて黒3を発見されず残念。

        露骨ですが黒3ブツカリが最強でした。白2ツギは絶対。

        黒1をどう動くのが良いか検討・検証します。イやロも

        あるがAとBを。先ず局後検討で伝えた黒Aオシから。

検討で伝えたオシ・その後の戦い方

           私の第一感は黒1オシでした。白2ハネに黒3トビ。

        白4、6の好形は許すけど黒7、9で右の白△へ響かせる。

        白10ツケにはいったん黒11ハネ。白12に黒13と白△への

        攻めを進めて行きます。なお下の白一団は下辺に白イ、黒ロ

        以下白ルまで一眼作成余地あるので狙い過ぎないこと。

トビの筋も面白い(応用効く筋)

                           今、浮かんだのは黒1トビ。白2、4を誘う筋です

        黒5となれば右の白へ影響していきます。以下黒9まで想定、

        前図より黒の勢いが良く見えますね。眼を奪う黒イも楽しみ。

        ◆白2や白4で工夫するかもしれないが黒1は有力でした。        

下側に双方の急所点

       冒頭場面から数手の図。黒1~白4まで実戦。次に黒は損したが
       普通の黒5で良かった。白6は省けないので先手が取れます。

       右上隅補強も好点ですが黒7が第一候補。▲一団が安心して

       白×一団が薄くなります。こうなれば黒有望な局面でした。

       ◆なお白イは黒ロ。黒Aが役立ち白は良き後続手段が見えない。

        おまけも一言。序盤右下で黒は失敗したのですがこの図なら黒B

        眼取りも密かに狙えそうです。

       ◎お疲れ様でした。7月の研究会では是非会心局を。