幽玄の間 強豪Y氏定先局 

  強豪Y氏も久しぶりでした。先週のアマプロ混成大会では微細勝負局多く

  結果勝ち抜けは達成できなかったそうですが元院生を初めて破ったとのこと。

  今日の碁も最強手が多かったが微妙に前とは違うと感じた打ち方もありました。

  棋風を意識して改造中とのことです。

  先ず画像を。終盤勝負所場面、中盤場面、序盤場面と三つお見せします。

左上で攻め合い・白番

     白番で一手勝ちか、コウか。黒有利なのか。ヨミ切れた方は強い。

中盤:黒番次の一手は?

    右辺白△とツケたところ。ここまで黒が順調に見えます。さて黒番。

    どのような構想を描きますか。正解は複数あると思います。

黒番:Y氏が打った手を推理して下さい

  私の予想には無い手。頑張り過ぎと思ったけど良い手だったのかもしれない。

左下・右下久しぶりの昭和・平成定石

        白20、22はあまり打たれない定石ですが私は実利派なので好み。

        黒27は初見。何も決めないのもあるが先手の二線オサエよりも

        外に働くとの意図。Y氏は固定観念に縛られず柔軟です。

        左上黒29カケが気合なら白の出切りも気合。戦い開始です。

        白40トビに黒41大股。薄く見えたのですが・・・

▲は好手と認め右上でした

        考えてみると黒は三線ラク手もあるのに外を重視している。

        実利損な手を選んでいる相手を割って咎めるのは得策ではない。

        右上白1カカリを急ぐべきでした。戦いが増えるけどやれます。

割って入ったが黒は捨て石が好手

        一子捨てるのは白が厚くなるので黒辛いと見たが判断ミス。

         白1、3黒4、6が適切対応で白aと抜くが・・・

左方面白失敗:右辺黒10は疑問

                         このようになりました。白1と手を入れるのでは変調です。

         黒2が厚い。入りずらくなり白3裏ガカリだが黒4と張った

         囲いで黒地大きい。ただ白三々ツケ味はまだ残るなと白5と

         ヒラいたら黒6打ち込み。これは白7を誘い黒8で確定地に

        する意図と察しました。仕方なく白9まで進み・・・ここで

        一段落と判断して良かったでしょう。黒10は頑張り過ぎ。

柔らかでじわじわを推奨

         黒の立場に考えたら黒1大ゲイマが見えました。左右の

         白を割り圧をかける。白2、4と地にして守るくらいか。

         返す刀でさらに黒5大ゲイマという流れ。もちろん白に

         シノギあるけど愉しい生きは見えない。ただ外へ出るのは

         左の△に悪影響しそうです。黒1は右下黒への応援にも

         なります。Y氏はこのような手持ち味だったはず。

白出切りに黒の最強を検証します

       弱石抱え重苦しい進行。白はどこかで得出来そうな展開。攻めながら

       下辺白地か、左上黒へ何か寄りつけないかなと思っていました。

       しかし黒9が勝負手。急に白好調か不明になったのです。この手を

       認めては勝てないと白10、12出切り。自信はなかったが仕方なく。

       ぎりぎりのヨミ合い勝負になると緊張し黒の手を待ちました。

出切り検証

 実戦は大勝負避けられたが黒1、3、5のストレート白出切りを迎え撃つと予想

 していました。左辺白が大変だが黒も右下一帯を取られては一大事。白10までは

 必然に思えます。私はこの図で黒からの手段いろいろヨンでいました。その一端を。

連絡し黒成功

黒11と出て白12に黒13切りは(12の右)白14で損ですが黒23利きが生じました。

そこで下を黒15(16の上)とコスミツケて白16に黒17ハネ出し。以下黒21まで取る。

白22は不発。黒23、25で連絡です。これは黒成功。白22では・・・

振り変わりの優劣は?

 対局中にはヨメ無かったが白22、白26を発見。右下黒一団を捕獲出来ました。ただし

 左辺は黒29で全部黒地となります。地合いは白が良さそうですが判断出来たか不明。

この図でヨセ合う可能性あった

私はこの図を選んでいた可能性ありました。黒を逃がして不満だが中を黒13、白14と

損しているので。白28まで示しますがヨセ勝負に見えます。

冒頭画像:攻め合いは白勝ち

 ◎お疲れ様でした。本局は何とか白勝利となったが棋風の幅が広がると

 さらに怖い先の手合いになるでしょう。これからもよろしくお願いします。