【キカシ】 先手で得との意味で打たれるが味消しやコウ立て損に
なることも あります。理由なく打つと一局を損なう、失うことも。
本局序盤の『白のノゾキ一本キカシ』が黒ペースになった一因。先ず画像を。
昭和的序盤。左下黒22ツケが石原氏の持ち味。意図は・・・
白1、3なら△狭いのでキカシとのこと。隅が完全に黒地
ではないので白も打てますが黒4を打ちたかったそうです。
白×対応ならキカシとの考え。白aなら黒bで左上の黒イや
黒ロ利利用しサバく構想。並みの方では失敗するが石原氏は
経験値豊富です。白はこの図もあったけど浮かんだ手決行。
白1はキカシ目的だが良い手では無かったです。黒イ、ロ、
ハの3通りが普通ですが石原氏は第4の手で対応します。
隅を黒1ならば白2、4の予定。これは白イ、黒ロ、
白ハの出切りから白×が生じます。黒イと手入れすれば
白持ち込みに出来るけど若干遅い碁になる。
黒1ブツカリ。左辺白×腐らせ隅も頑張る好手でした。
白2は意地。黒3、5の二段バネが黒のヨミ筋です。確かに
白10で白イは黒ロ、白ハ、黒二で黒Aが最高の位置ですね。
普通に隅を生きてと黒1で十分でした。白2には黒3
さらに催促します。白8、10は嬉しくないが仕方ない。
黒11と中元を制し下一帯の黒模様雄大でカッコイイ。
実戦。白1に黒2は必然ですがコウが残っています。
白3、黒4、白5と進んだ場面が冒頭画像ですが黒4では
検討で伝えたのは黒1抜き。コウを解消し地も大きい。
白△は痛めつけなくと元気無し。白は今後どう打つか
悩んでいたでしょう。なお黒1では黒A上鉄柱も有力。
コウ利用しサバけるとカタ。しかし隅のコウに勝っても
下辺損大きいと白良くない図ある。苦労しそうな予感。
当然の黒1オシに白2と仕掛け、白4のコウ立てを使い・・・
応酬の結果黒×を抜くことに成功。しかしその間、▲と
上に黒石来ています。取りあえず生きてからと白1。
するとさっと黒2!これは最高手。黒イ、白ロと安心
させず黒ロ野余地を残す。感服しました。
★サバキとは石を捨てて形整えるのが理想。でも実戦は
見ての通りシノギとなっていますね。
相手が決めないところを打つ。一つの気合だが白1は
黒2と競られて憂鬱。白×と打たないために一苦労しそう。
【序盤は眼を取りに行くより辛い生き促すのが良策】
地合いが悪いよりも流れが悪い方が嫌な時あります。打開
目論む白1ですが黒2が攻め&地を膨らまし好調。石原さん
バイクで疾走している気分かな。もう我慢ならぬと白3、5
無理的反撃。白13まで左辺に少しプラスだがここで黒14を
決められ黒16の攻め。この手で黒Aの方が付け入る隙無しでした。
もう黒×は用済み。白イは黒ロで増々右の白苦しくなります。
◆この後にいろいろあったけど黒勝利はここまでのポイントが
大きかったから左下反発からの戦いが本当に見事だったです。
先に白1切り決めて白3は平易に黒4抜きとなる。×三つを
どうするか。白寂しい進行です。黒2で眼が厚くなるのも利点。
振り返ります。黒1、3に白ツグのが不満なら手抜きし
左上白4と厚く打つ方が気合と言えました。黒5は地と
して大きいけど部分的と見て下辺白6カタ。この削減も
一級品です。少なくとも白×よりは良かった。
◎お疲れ様でした。来年は21日です。良いお年をお迎え下さい。