幽玄の間N氏定先局

   以前隅はほぼ小目だったN氏ですが最近は星を採用されています。

   戦いの碁なので星が似合っています。今年一番の内容でした。

   先ず終局図を。その次の画像は『黒番次の一手は?』出題です。

白19目勝ち。本当は右辺黒地にするチャンスあった(後ほど)

黒番次の一手

  白△と応じた所。ここまで互角だと思うが黒うまく打っていると思います。

  黒番でどう打つか。Y氏は直線的な手段でしたがここは幅広く作戦ありそう。

至る手順(立派な序盤)

         白番三連星は何十年ぶりか。大らかさあった時代懐かしい。

         対しN氏は一間ジマリから黒7や黒13と辛めの鶴翼の陣

         今年最後の指導碁の可能性大なので意識してか双方じっくり

         模様対抗です。下辺白20カタに地を一瞥もせず中央へ進み

         黒27、特に黒29が素晴しい一着黒19と連動して

         白一団へ迫っています。白30は一間が本手でしたか。黒31が

         薄み突く好手。白32は苦心の受け。一発ぐらつせたので・・・ 

いったん上辺打ち込みが面白い

        黒1と上辺に打ち込みたい。中に黒石来たことが決行理由。

        白2と出てくれば柔らかな黒3。白4黒5が調子です。

        上を攻める振りして『敵は本能寺』▲を静かに黒イと助けて

        白ロに黒×を有効にキカシ攻めるのが狙いで楽しみ。

        ◆このようないったん・・・という作戦も浮かんで取り入れたら

        N氏はさらに強くなる。碁の幅も確実に広がります。     

実戦:黒空振り気味・新たな戦いへ

       ストレートな攻めでした。直ぐはうまくいきません。右下隅を

       犠牲にはしにくいので白12までとなったが黒空振りしました。

       黒13は狙い過ぎで喝!前図打ち込みへ切り替えて欲しかった。

ケイマ一発が良。中に回れた

         取りあえず黒1とケイマしたかった。白2は黒3と

         受ける。白4が必要なので黒5と連絡します。白6

         黒7と要点に回れ白一団への攻め伺います。

         ◆上辺受けず白7なら黒6でシノギ勝負。頑張れます。

中要点は白に。黒苦しい展開

        黒1ハネは異筋。白6まで白厚くなっています。続く

        黒7、黒9は鋭いが白10に勝負する余裕ないのでは変。

        黒13では早く黒17が勝りました。白18で黒苦しい展開に。       

切り好手。見事な治まり

        かなり進みました。▲弱く終局近いなと感じていた

        左辺黒1、3に白4が余計なこと。黒5から仕事して

        黒9に戻ったのが賢い。白10と二子取ったけど黒11、

        13となり眼形厚くなっています。技あり取られました。

        白4では白11サガリが最強。逃しあまいがN氏は流石。

        ◆左上に注目。「白20はこれで全部白地。」の主張だが

        黒21!実に鋭い。形勢は悪い黒はヨメなくとも手をつけ

        求めるしかない。対し白地死守するのは結構難しく・・・

黒先ず先ずの戦果。しかし右辺は白へ

        白1は2ノビが正しかったか。ただ黒2を期待した妥協手。

        以下白9まで少し減って黒地も出来たけど白地確定で安心。

        以下実戦ですが右辺白19が最大ヵ所。白勝利確定です。

        黒2で右の黒3ハネを検証してみます。     

先に右ハネが成立していたかも

         右ハネ黒1打たれたら対応難しかった。普通の白2には

         黒3~7がしぶとい。コウにするよりないように見えます

         白守った後、コウになれば黒成功でチャンスでした。

変化:これも黒成功

        白2、4には黒3~白8まで交換して黒9と継ぐ。

        イとロが見合いで手になっています。なお次に白が

        黒×取るぞとの手を打ってもそこは受けません。

   右辺切りの図:白良しだが参考に

         検討で実戦の左下隅削減手で右辺連絡していたらどう

         でしたかと伝えたので図で示します。黒1切りは

         取って実戦と比べ出入り20目超す。左下は白地になるが

         黒9が良い手で多少減ります。白16まで進み次に黒Aか

         黒Bか黒Cか黒Dか。10目は白が良さそうだが参考に。

         ◎お疲れ様でした。今年も受けて頂き本当に感謝しています。

         これからも自分の個性を大事しいったん保留など分岐点で

         打つ手の幅を広げて下さい。最後まで勝敗不明の熱戦局を

         期待しています。良いお年をお迎え下さい。