下じょ会・長南氏二子局

        本当にお待たせしました。実力者長南さんとの二子局。

        前局は負かされ最近は一勝一敗ペースですがきつい手合いに

        なっています。下地会研究会を田町の三菱自動車喫茶室で

        行っていたときの初指導碁は25年以上前で三子でした。

        この碁の見応えある一場面を27日(土)研究会で次の一手

        して出題する予定。そこまでの経緯をここで解説します。

大斜ガケvs両ガカリ

        黒2小目は珍しい。三々が定番でしたが少し飽きたとのこと。

        白3カカリに黒4カカリ返し。ここで先月の下じょ会でのやり         

        取りを思い出しました。幹事金納さんも加わった三人での令和

        大斜ガケの知識・感想の検討会です。実戦で試してみたくなり

        久々の白5大斜ガケ。現代では本当に見なくなりました。

        その時の結論は『手抜きも有力』でした。私もぼんやりと記憶。

        試す心で長南さん手抜きし左上黒7両ガカリで返されました。    

大斜ガケ手抜き定石

        左上白13までは一番多く打たれている型で令和定石の一つ。

        黒14で作戦色々あるようですが実戦の一間は×断点を睨み

        厳しい発想。弱点ですが白は守りにくい。中の白三子は

        捨て石も可能との考えあるので右下白15と連打してみました。

        ◆昭和で学んだ棋書には隅の黒の生き方が掲載されています。

        ・なおさらに黒手抜きは白Aが実利厚みともかなりの手です。

昭和棋書掲載の定石

        実戦黒1~白4と進んだとき黒5、白6一本で黒7と記憶。   

        白10に後手でもしっかりの黒11ドライに黒イ、白ロ、

        黒ハで先手生き目指すもありと掲載していたような・・・

        黒5では黒7を先もあり、白8では隅へハネ出す変化もある。

        経験少なかったのでうろ覚えですが手抜きしても活路はあるが

        そのために回りを厚くするので感心しない。大斜ガケされたら

        『手抜きはあまりよろしくない』と思っていました。

        ◆令和では隅を捨てるべしとのこと。黒5で黒10切り!

叩きがデカいとの説

       黒5と切る目的は仮に隅を取られても捨て石にして外に

       勢力を築くという発想。白6黒7まで実戦ですが白8

       ガリなら隅の黒は取れそうです。待望の叩き

       黒11アテ。白12ツギとなった形は団子形で良くはないが

       黒15に白16とされ黒に活路はありません。続いて外を

       黒17ノビが形。黒イとロの封鎖を見合いにしています。

       隅は攻め取りとヨセコウの味ある。コウ立ても残る。

       これからの戦いに役立つ捨て石が良いとのことか。経験

       少ないので断定は出来ないが皆様どうぞ参考に。    

実戦進行

        前の記憶全然覚えてなかったので形の白6、8を採用。

        黒9叩き気持ち良いが今度は捨てられないので黒11と

        生きを目指す進行へ。白14のとき黒は手が止まりました。       

検討:黒1白2でどうなるのか。

        実戦は黒1で黒2と妥協し生きられましたが隅へ黒1の

        這いはどうだったのか。白aなら黒1で嬉しい生きなので

        白2オキ眼を奪いに行く可能性あります。

        黒3で良き打ち方あるか。検討します。 暫し休憩。☕🍵🥤

ハネ利けば黒生き

        白オキに対し黒1ハネが先ず浮かぶ。白2受けは黒3で生き。

這わされるが黒が圧す戦い

        黒1ハネに白2~6は黒7~15まで二線ですが這って生きる。

        白16なら黒17先手で黒19構え。白は弱石二つ。黒打てます。

面白変化あり(白aホウリコミ)

        黒ハネに白1(a)と放り込む変化。黒2抜きに白3が

        ×サシコミを見た攻めです。黒は捨て方が腕の見せ所。

        黒4、6ダメ詰めから白7に黒8とダメを詰めるのが良い手。

        7の下一線に黒ハネるとコウになるので・・・    

隅を全部捨てて黒良し

       白3とコウを解消するくらい。黒4先手をキカシ黒6と圧を

       かけましょう。白7なら黒8、10で一段落。この図が双方の

       相場でしょうか。白地は25目ほど。黒良しと判定します。

       ◆実戦の黒生き姿は少し辛かった。

アテが要点

       実戦は左下白aと先行したのですがはっきり白1が大きかった。

       アタリなので黒イとツグなら白ロ、黒ハ、白二と右辺白勢力が

       どんどん増していきます。逃げずに左下黒aと打たれそうだが

       ここは一手かける価値高かった。

       軽んじたため後に右上シマリ背景に押し込まれることに。

切りが本命手

        続いて左上を▲出切り分断されました。対し白の応手は

        四通り。隅を生きる手は白イやロ。実戦は白×を選んだが

        薄い生き方で良くなかった。

        白A切りが本命だったようです。黒厚くなるのを

        心配したのですが・・・予想図を作ってみます。

予想図①

        白1切り選べば黒8までほぼ必然。次に白9か10か。

        白9を選ぶと黒10から黒14と形決めて来るでしょう。

互角の展開

        白1抜きとなり隅は立派な白地。さてここです。黒2!

        このカケが素晴しく見えて止めたのですが白3と応じて

        黒6まで進んだときに白7オサエがお返しです。黒12まで

        生きるが黒地は3目と小さく白13ヒラキで一段落。

        左辺一帯は黒模様ですがまとめるのも大変。互角でした

黒が戦い選んだ変化白怖くない

        戦闘派なら黒1オシを選ぶでしょう。しかし白10まで想定

        しても黒は得する展開になるかどうか。この戦いならば

        黒はまだ出切り分断保留したほうが良いと思います。

左下隅で両ガカリ定石

        要点右下を放置し左上で先手取って左下両ガカリを急ぐ。

        長南氏棋風意識の表れ。忍者のように素早いのでなるべく

        遅れないようにとの気持ち。白9まで進み黒aを期待。それは

焦点ぼやけそう

        黒1は定石で別に悪くはないが白2とヒラキます。局面

        何となくぼやけて黒は次の手が難しくなるでしょう。

要点は黒へ

       黒1~7も定石でこの場面・配置では適切です。対し白に喝!

       白8は定石ですがあまりに部分的。黒a囲い期待はあまかった。

       黒9!ついに要点黒に打たれてしまった。

研究会出題:黒番次の一手

       初手から手順を掲載。右下黒56要点から白59まで進んだところ。

      【黒番次の一手「長南氏の打った手を当てて下さい」が研究会

        出題です。申し訳ないが解説はとりあえずここまで。

       ◎解答・解説は有楽町囲碁センターで。本当はここから終盤まで

       見応え多過ぎる一局で惜しいのですが明日は研究会。翌日の

       28日(日)浦安碁会と連続で続くのでこのぐらにします。

       お疲れ様でした。来月は研究会に顔を出される可能性あり

       伺いました。これからもよろしくお願いします。