14日の幽玄の間・H氏四子局

  前々回S氏と同じく定期的に受けて頂いているHさん。競り合いの戦闘力は

  三子の方に負けない迫力あり。本局は感心した手多く、またアドバイスしたい

  箇所満載ですが有益な要点を絞って伝えたい。先ず序盤画像を

ボウシは好感覚

  左上の黒ボウシ。良いなと感じました。左下黒一間構えからの模様化と

  遠く右上黒への応援に役立ちます。只の地所確保手より勝ると考えたい。

躍動の構想に感服

 左辺白17侵入に辺から応じるのもあるが隅で易々生きられる。苦労してもらおうと

 黒18から追い出して黒20高圧良し。この手で眼形奪うなら黒21ツメもあります。

 なので白21に眼形追及より中手厚くがお勧め。その前に「一本キカシ」打ちたい。

迫力の切り

        驚いた場面。Hさんは上手を恐れない棋風とわかります。

        それは白二目の頭ハネにバサリ▼切り。激しいです。ただ

        左上黒も治まっていないのに大丈夫?と少し心配した場面。

        ◆では序盤から解説します。

圧迫は良き構想左辺二線は少々力み

        右上ですが白13に対し黒イ、白ロ、黒ハが定石。幾分厚い。

        黒16ボウシの前に出来れば黒二のコスミツケを打って

        白ホのサガリ交換したほうが連絡具合にかなりプラス

        実戦に役立つので是非覚えて下さい。

封鎖が上策楽しみ多い

        黒1白2を今のうち交換します。続いて黒3と手かけ

        完全封鎖が良かった。黒A邪魔で白4~10と治まるぐらい。

        ここは大事なので強く伝えます。今までの▲の考えは

         『後手で小さく生きてもらおう。そこで好所へ向かう』だと

        思うしそれが棋理。「外も封鎖し、根拠も奪いたい」

        ちと欲張りです。黒強き場所ですが【柔も大事】です。

        ◆それと左辺ですが黒×狙い残っています。

力みあり。混沌へ

                              黒1は悪手ではない。ただ白2のとき長考され黒3外しでは

        二線根拠奪った手と合はない。何か心配したと思うがここは

        右にツケて止めたかった。白6、8とはみ出されたとき黒9は

        頑張り。次の図が無難だが私も黒9と打つ可能性あり。

        左上白10三々から12に黒13早かった。戦闘撤退の意志無しです。

        しかし生きる白16が急所に来て相当厳しい。黒13では逆オサエが

        安全。でも攻める立場が主客転倒となり不満だったと察します。

相場図(面白くないかな)

        中央ノビでは10人のうち7人は黒1を選びそう。白2切りに

        黒3なら堅い対応。白4には右上黒9まで補強なら無難。

        でも▲活力薄くなり守る一方の展開では気が重くなるかも。

  三子捨て石で保留の筋

        後半の右下折衝に触れたい。隅一子を白に切られた時に

        黒1、3と捨て石増やしここで止める。黒5好点に打つ。

        黒イとロどちらも先手だが決めずに保留するのです。もし

        白イと来るなら黒ロを先手で決め黒5からさらに何か打つ。

        決めなければならないこともあるが『保留の筋』参考に。

        ◆形勢ですが左辺白△もぎ取った実利大きく黒良しです。

終戦闘場面(黒6惜しい)

        H氏気合に負けないと右辺で抵抗した実戦。白1~白5と

        反撃したがやり過ぎでした。黒に流れ来たが黒6が惜しい。

        俗手だが白7があり白もどうにか形になる。トビツケでは

ノビからオシツケが良

        黒1ノビなら白2よりなく黒3とオシツケ出来ました。

        弱い立場なので白4~8くらいです。黒9は断点守りで

        そろそろ大きい。以下は想定。黒リードしています。

        勝負したいなら黒11で黒aアテ。白切りでコウになります。

如何様にも対応可能

        最後にこの場面を黒1とツケたかった。もし打たれたら

        対応が定まってなかったので悩む。黒は白の出方を見て

        豪か柔で対応します。左上が危険になる心配は杞憂でした。

        ◎定例日ではないのに受けて頂き有難うございました。

        棋風・気質は私もなかなか変えられません。でも徐々にですね。

        お疲れ様でした。三月は一日が金曜日。会心局期待しています。