佐々木六段三子局序盤

   本局は手入れがポイントになりました。石を取って味悪い箇所があるとき

   ①本手で一手かけ後手でしっかり守るか。

   ②相手に働きかけ間に合わせ先手取るか。その得失判断が難しい。

下辺白がツケた場面・左下白二子動き出しどう見る?

    右下白ツケに黒はハネかノビが普通。ただ白は二子動きだするために

     ツケたかもしれない。いろいろ考えること多く難しい場面ですね。

本手で守る図

    本手で守るなら黒1トビです。次に黒×切りがおまけとなります。

    ただし白a連打を許すことになる。白に得を与えて良いかの判断。

先手で間に合わせる図

    黒1ハネは間に合わせて先手取る意図。次に黒×切りが相当厳しいので

    白2受けとなる。そこで黒3に回る。まだ白△には白イや白ロ分断の味

    火種が残っていますね。でも中央黒A・B存在が応援になるので怖くない

    大丈夫という考え。なお黒1もせず黒3という頑張りもあるかも。

    最後に検証します。暫しお待ちを。

気迫の一杯ツメ。それを活かす構想は?

     黒18ツメに注目。ケイマジマリは堅いので近づき過ぎが一般論。

     ただ気合良しとみたい。直ぐ白が咎められないなら悪いとは言えない。

中トビが継承手 迫力誇る

    私が相手の石へ一杯にツメたときは次に上へ一間トビから考えます。

    その手が輝く感じしたら一杯ツメ構想なかなか。この局面でも黒1は

    次に右下黒a一杯ツメを見て相当な手。白2受けなら穏やかですが次の

    黒3カケが好点。▲が模様を引き締めて上一帯も相まって雄大です。

白ツケへの対応・普通で良いのか

     少し進行しへ白△とツケた場面。普通にオサエるか、ハネ出すか、

     第三の手を打つか、果たして正解は・・・

隅からのハネツギに価値あるときは普通が一番

    黒1オサエが良かった。白2ヒキは先手になるが黒3と受け静観します。

    もし白4など手抜きしたら右上隅すかさずハネツグ手が機敏。白8なら

    お返しの黒9ハサミツケ!これは相当厳しい。ツケヒキで根拠作ったのに

    消滅は悲しい。左辺連打は黒に響かない。白嫌でしょう。

    ◆白4は白5か白7と守るくらい。黒は受けていて三々が消えたことに

     満足します。普通対応が適切でした。

お勧め案(本手より先手重視)

    黒1ハネが適切だったと思います。白2ノビに先手取って右下黒3ヒキ。

    白4くらいか。そこで勇躍白模様を黒5カタで消します。

    白△動き出し味はあるけど現実には怖くない。策動一例を次に。

ハネ効果で当分心配なし

    白1出にはいつでも緩め白3に黒4とオサエて捕獲します。

    白5、7分断が少し怖いけど黒8、10対応で大丈夫。白11に黒12の

    ガリで捕まることはありません※ただし黒12付近に白が打ったら

    即。黒7守りは必要です。

先手ポン抜きは凄い

     黒ハネに白が受けず下辺白1連打した場合は必ず黒2と切りましょう。

     白3、5なら左辺は白地だが黒先手ポン抜きは気持ち良く大きい。

     続いて頼もしい厚み得たので遠慮なく白地へ黒6と打ち込みます。

     白7追いかけに黒8と早き遁走。もちろん白の攻めも伺えそう。

実利ベラデカ・白へ感謝

    ポン抜きは切ないと白1逃げは黒2急所がきつ過ぎます。以下白三子を

    取れますが黒8、10が最強の取り方。大きなプレゼントで白へ感謝です。

    ◎佐々木さんは体調万全でなかったようで本調子では無かった。来年は

     目の覚めるような三子会心局をよろしくお願いします。