K氏三子局・絶妙手

   指導碁で好手打たれると嬉しくやる気になるが考えもしない黒の妙手に

   遭遇すると至福な気持ちに浸ることあり。本局まさに出ました。先ず画像を   

黒番 次の一手は?

   白△でやれやれと安堵したところ。ところがK氏の次の一手に驚愕しました。

   黒番 次の一手 どこに打ちますか

数手前の経緯 異筋で白楽に見えたが

      黒1はAオサエが石の流れ。黒3は4の方が眼を奪う意味で勝ります。

     形の白4ツケでホッ。黒5は普通異筋。白6受けとなり嬉しかったが 

妙手

   次の一手フクラミです。驚きの一手で電流走りました。

切り・オサエを見合い

       黒1は黒イの切りと黒ロのオサエ二つを見合いにしています。

      白は苦慮。考慮したがどちら許しても厳しいのです。

分断されると中を取られる

     気合は白2出だが黒3切りが上辺白に先手。白4、6よりないが

     黒9と中の白四子取られます。白10、12分断は黒15まで。黒aゲタと

     黒b受けが見合いで平気。よって白2は却下し・・・

二線オサエがタイムリ

     泣く泣く白2だが黒3とピッタリ蓋をされました。続く白4、6は

     意地だったが白7だったか。それは黒7のオサエがタイムリー。

     二目取り返しの筋ですがこれほど効果的に役立つことは稀です。

妙手大成功

    実戦はこのようになりました。先手取って黒1囲いに回り黒成功です。

    本当に素晴らしい手を打たれその後もお見事でした。

    局後に下辺黒7に露骨な白イ、黒ロ、白×への対処をブログで載せると

    伝えたので黒の対応手を次の図で。

二子捨てて分断し満足

     白×に黒二子捨てます。黒1、白2の後、アテずに黒3が品良き手。

     以下黒11まで分断すると右下眼形確保が必要。ここで大事なことは

     『しつこく攻めないこと』黒13と中の囲いに回り十分です。

     ◆次に序盤右上の基本定石を伝えます。これは必修科目。

二間バサミ基本定石

     黒1二間バサミを選択した場合、白2三々なら黒3はノータイムで。

     以下白10まで基本定石。『先手取れますが黒Aケイマは人気あり。』

     黒9は黒イ受けもあり。なお黒×と手をかけ取るのは少しぬるい。

     最後に序盤着手軽くコメントします。

    

    × 黒4は黒6ツケが定石。 黒6は重く黒8かその一路下が足早い。

    ★ 黒10は面白い発想。黒12ツケは才あり。

    × 黒14はたとえどうなっても切り違いが形。

    ★ 黒16・18・20は良き振り変わり精神。

    ★ 黒36は好手。ただし黒38はあまく黒39ブツカリで中を厚く打ちたい。

    ★★★ 黒42は素晴らしい。私が感じたその効能を下記に使えます。

    ①厚い左下の黒を利用し左辺白をふんわり攻めながら右上模様を豊かに。

    ②白の動き次第で左上白一子との絡み攻め作戦。(実戦経過)

    ③下辺黒数子への応援に役立つ         となります。

     一瞬秀策の『耳赤の一手』のような印象でした。少し褒め過ぎですね。

    ◎Kさんの碁には自由で愉しい発想手があります。これからも大切に。