いきなりですが二つの場面をお見せします。どちらも黒番。
次の一手を良きところ打てば黒勝利間違いなしだったと伝えました。
後半検証し解答します。
黒8を捨てる策も有力だがノビると双方生きを目指す展開。
黒18は普通二線スベリ。実戦は形決まり簡明な意味あり。
黒3が大事な手でした。白4を喰うが黒5で生き。
白6くらいか。白イに黒ロで地は3目だが味良いので
手が抜ける点が大きい。黒7に回れます。
◆実戦は堅ツギ。これはスッキリせず二手かかることに。
黒9後手は辛かったが右上は黒19までがっちり、左下は
黒25まで足早で局面は落ち着いています。白26カカリに
出た~加藤さんの18番カタ!毎回最適ではないと思うが
この手への加藤さんの信頼はかなりのもの。
白1、3切りは最強対応。黒4は反対ヒキもある。白5、
白7とはみ出したときが分岐点。黒8~10は捨てるとの
決断。隅の地かなり大きいので勇気要ります。黒12は上辺
裾空き封じだが黒Aが普通でこちらの方が大きそう。
◆捨てずに戦う策戦もある。次に紹介します。
黒1サガリ。アマ17歳ごろ影山プロに三子指導碁で教えて
もらった時、打った記憶あり。黒3は当時知らなかった手で
隅を味良く生き、白をなるべく強くせずの配慮手。黒7まで
示しますが白一団を攻めながら△を自然に取り込むが目的。
実戦中盤。この時点の形勢ですが白は確定地がっちりあり
黒は上と左にある程度つきそうだが裾空き箇所残っていて
白が相当こなしている感じ。黒1、3が不思議な手でした。
右に×断点二つ残し左にも×断点二つ作っています。
結論から言うと白は断点を攻めず冷静に・・・・
白1、黒2と手を打ち白3と連絡確かめるべきでした。
続いて中を黒4と囲ったら白5スベリがタイムリー。
黒7アテも大きいけど白8ハサミツケで削減します。
形勢は未だ黒良いけどヨセ勝負が白は上策でした。
まるで魅入られたように白1~7。ポン向いても大して
白儲けていません。それどころか右の黒a断点が消滅し
厳しい黒A分断が生じています。そこを何も確認せず
右上白9とは本当に私どうかしています。
左上黒10、12は鋭い意味あるが続く黒×は大錯覚でした。
◆もし黒Aを決行していたら・・・
黒1は好手。白2よりないが黒3切りがわかりやすい。
白4、6で取られるけど黒7グズミが必殺手。イとロが
見合いですね。中が全部黒地では争う余地なし。
実戦は一路違う黒1でした。「良かった、助かったと
白2~12でしたが・・・別の問題が生じているのです。
それは下辺の白。入られたら危険。加藤さん第チャンス
ですが実戦は黒aは性急。敗着になりました。白aで
攻め合いは黒が勝てない(実戦は白一手勝ち)のです。
もう一つ黒Ⅰとノビていたら勝利でした。今度は入られ
たら負けるので白2だが黒3と連絡される。すると白4は
省けない。無事かというと今度は左の白が怪しいのです。
黒5ツケが厳しい。白6でシノギ計るが黒7追撃がある。
△逃げられるが今度は左下白×が窮地に。まさに負の連鎖。
続いて予想した図。黒4と遮断され生きるなら白5だが
痛烈な黒6が飛ぶ。もうシノグ気力なくダウン必至ですね。
◎白面白そうな碁形から何故?それは自分の弱さ・薄みを
振り返らなかったからでもう反省しなくてはと思います。
惜しむらくは加藤さん。勝負決めらそうな場面ではもっと
時間かけて慎重に考慮し打たれて良いのです。今度勝勢に
なったら必ず勝ち切って下さい。では11日の研究会で。