宮島氏二子局。正直この碁は負けると思わなかった。
魅入られたように白は自ら危険へと突入していったのです。
先ず画像を二枚。立ち上がりと後半の黒が勝利を決めた場面。
白5~黒12まで至って普通ですが大人しめの立ち上がり。
白15に黒16受けはツケコシ防止だが良き辛抱。ならば
白17、19にも受けるのか。流石に・・・
黒1カケツギされたらガクリとの気持ちで白2囲いです。
それから黒3と攻めても白4と挨拶しないでしょう。白イ
黒ロが交換が白は喜び。黒負けではないけど覇気無し。
黒26とは頑張るなと思ったが黒30、32出切りは驚き。
宮島さんから「最強。」との小さな呟きを何度も耳に
したが自身を奮い立て逃げるな戦えとの気持ちの表れか。
◆前の宮島さんのイメージだと黒30で黒a、白b、黒c。
ちらっと浮かんだけどやはり急所を打つべきでした。
白1オサエです。この碁は黒の気迫に圧されたのか
白は何度もここを打つチャンス逃すことになりますが
黒にどう生きるか聞くだけでも効果あり。安全なら
黒2を先手で打ち黒4ツギですが白5と進出し白が
苦しい感じしない戦い。黒4で×と頑張る図は後に。
黒は何が問題だったか調べると左上隅を封鎖されたことと
判明しました。黒1コスミが良かった。黒Aはサバキを
目指す。白2とツケる予定でしたが黒3ツケ返しが好手。
白4ハネに黒5ハネ返し。示すのはここまで。白の出方で
左辺治まりや外へ脱出など如何様にもとの態度が大事。
白2ケイマならば黒3とツケる感じ。この手は上の黒イ、
白ロ、黒×二つの切りを含みにしています。白4ハネには
黒5ツケ。続いて白aなら黒b以下黒fまで満足でしょう。
◆序盤はここまで。では一気に勝負所場面へ進みます。
いろいろありましたが黒頑張っています。左辺白△が
弱いので白イ、黒ロ、白ハの守りくらい。ここからが
勝負でしたがその前に取られた白×活用と軽い気持ちで
白1と打ったのが大変化の発端でした。宮島さんなら
黒aだろうと・・・「失礼。」あまく見ていました。
「えっ嘘。」予想しない黒2と打たれた時の気持ち。瞬間
もう手が動き白3(8)ワリコミ。黒4切りに白5シボリ
と双方勢い。深くヨンでいなかったが黒無理に見えました。
途中変化あるけど黒14まで進み、白15トビ・・・敗着です。
◆白9や白13では黒14を防ぐべくタケフに打つべきでした。
シボった後 白1と打つべき。黒ツグのは前の図で
無理なので黒2くらいか。白3と黒×二子を取って
中の白数子生還し20目は利益。黒4~8まで下辺の
黒地膨れて25目以上の利益得ることが出来たけども
※中央黒一団を白から攻めると果たして眼の具合は?
損害なく生きているならこの図黒良しだと思います。
白1とサガるよりなかった。黒2~8と手数を伸ばす
でしょう。そこで白9~13と連絡する、黒14ツギまで
大利を得ることになるが。白15が効いて白17ノビまで。
中央黒眼形はかなり乏しい。右辺に黒妙手段あるのか。
◆この図で負けたら仕方ない。白の最強でした。
何考えていたのか。考えてなかったのか。他の二面が
苦戦だったか。白1は空白の一手。黒2、4ハネツギで
攻め合い勝ち決定。勝利手となりました。白イの連絡は
黒ロ切りとなり双方の手数ですが黒は×の七手。白五手。
◆二手も負けています。では白ロのツギだと・・・
白1ツギは黒2。白3で先手取り白5と詰めるよりない。
以下駄目詰め合ってみました。黒一手勝ちです。
◎宮島さんが多くの変化をヨミ切っていたとは思えません。
ですが『緩まず最強との気持ち・姿勢が生んだ勝利です。
★指導碁前に長南さんとの久々対局(二子)がありましたが
難しい勝負所で黒大石起死回生の一手を宮島さんが打たれた
とのこと。結果見事勝利されたそうです。
もう直ぐ卒寿と伺いました。大天晴!!!