大晦日・強豪Y氏定先局

   大晦日朝8時30分設定に強豪Y氏からの申し込みです。いろいろ

   攻防ある碁でしたが先ず後半の勝負所場面を画像で解説します。   

渾身の勝負手『切込み』

この時点白優勢意識していましたすると黒1!むむっ中央の白一団狙いかと

視線が移った瞬間。これは普通上アテと比べ損な手たがそれを承知での勝負手です。

『ヨミ深く正確なY氏が打った手』という圧力が私にかかりました。

黒4で危険と見たが白5オシで見合い

実戦は一本出て、黒アテに一線抜きと妥協したが・・・白1と出ること可能でした。

黒2に白3と抜く。黒は損を取り戻すべく黒4と急所に打つ。この手で危険と見た

のですが白5オシがシノギ手。右連絡と左ハネを見合いにしています。

シノギ派の私が何故この図選ばなかったのか・・・優勢過剰意識が影響したようです。

白頑張れた

 ハネ避ける黒6に白8ツケ。ここで黒に後続手段見えません。これは推察ですが

 Y氏は仮に不発でも下を切り込まないと勝てない碁との判断だったのでしょ

 その気迫に押されて実戦は妥協しヨセ勝負、微細になり・・・

白投了場面:微細だが黒勝ちと判断

ここで投了しました。最後まで打とうかと思ったがY氏持ち時間30秒。時間切れで

はっきり負けている碁を勝つのは指導碁でも嫌との決断。続いて打っていたら・・・

継続予想図:右上サガリが手止ま(隅手入れ無し)

  黒6までが予想されます。この黒6は3目あって右上隅に手入れ不要になる。

  逆に白6ハネを打たれると白一子活躍しセキ味が生じるのです。

  ◆さて冷静に序盤を振り返ってみましょう。

立ち上がり

         白6はあまり見ないが愛用手。次に黒は左上三々ツケで

        形決めるのもあるが黒7カカリはサバキ得意なY氏らしさ。

        左下は定石で黒17に白は下辺ヒラキなら穏当だが気が向かず

        白18先制を決行。下辺はここから75手目に黒が打つ事に。      

センス良いサバキ手

       白ボウシは重い動きを期待しています。打たれたのは黒1。

       ツケは好手でした。ハネから検討したが白イ黒b白ロ

       黒aでサバかれる感じ。実戦は白aノビを選択し・・・

サバキでなくシノギ(白満足)

        期待したのはこの図。早治まり安心な方は選ぶでしょう。

        でも白Aの顔は多少立ったので下辺に向かいます。将来

        白aとツグのが楽しみ。黒bでは白×で二眼無し。でも

        黒×と生きるようでは切ない。Y氏が選んだのは・・・

力強く白を分断(コスミツケてグズミの筋)

        黒1カタ。白這いに分岐点だが黒3コスミツケ。白4に

        黒5までセット。「空き三角」に見えるけど分断する筋。

        黒7まで緩みなく石張っています。この対応打たれると

        この部分一段落するまでは他にいけない。苦吟し白10。

        Y氏悩むかと思いきや対応早かった。

 黒ノビの図。白は実利に転換しやすい

         黒1ノビは悪い手ではない。ただし白2急所に黒3と

         打てることが条件。白×と切る可能性もあるが白4と

         地に転換し×を継ぎなさいと作戦立てるかも。黒1は

         白△役立つ感じが嬉しい。

白の罠

        左ハネに黒1とオサエたくなるが白2を用意していました。

        黒3は白4で二子アタリ。助けると分断され黒苦しくなるが

        二子捨てるのも辛い。なお白2に黒イは白ロで困ります。

        三秒以内だったと思います。打たれたのは・・・

激闘開始

          黒1棒ツギ。一本は利かされで眼形減じるので辛いが

          仕方ないかも。受けを考え過ぎて疲労するより持ち時間

          大事に割り切るのは大切。白2~黒7までは必然ですが

          白は上をカケツグのが相場でしたでも一子カミ取りで

          簡単に生きられ白にあまり成果がない。しかし白8ツギは

          黒9、11と逆襲され見た目はやり過ぎに見えます。

          ◆次は黒Aを予想していまいたが・・・            

後手になり封鎖されたら危険

        右上白を黒1と封鎖し先手取りたいところ。出来そうだが

        黒9で打つのを止めるか黒11か。黒13まで全て頑張るの

        白14と封鎖され相当危険を覚悟することになります。

        地を損する可能性もあるとみて黒1で実戦は・・・     

実戦:黒キリの狙い

         黒1トビ出しを急がれました。賢明な一手と言えます。

         白2、4と戦線拡大出来て白も楽しみ多そうな展開。

         すると黒5切り。これですY氏の鋭さは。誰しも中の

         競り合いをどう打つか凝視しそうな場面で何?という

         手を打つ。眼が気になったのかなと思い込んだら大変。

         白6と警戒し以下競り合い継続となりました。

切りは隅のツケ二段が狙い

        黒a切りには白1と一つは受けたくなるが黒2、4と

        即二段バネの筋を打ってくる。白5、7と反発したいが

        最強の黒8。もし白9と頑張ると黒10、12で大ピンチ。

        途中白にもシノギ筋あるけど隅の補強で返しました。

実戦進行

        鋭い黒1。ただ白10まで隅の黒窮屈で白が圧しています。

        問題は黒9に石が来て中の白がどのくらい弱くなっているか。

        もしかして来るかなと思った場所。黒11へズドンの最強手。

        ただし結果的にはやり過ぎだったようです。

難しいが主導権は白

        黒12、14と後退。ここはY氏らしくない。ただ黒14

        黒15ノビは白14で右側黒は壊滅。左白全部取らないと、

        取っても足りない可能性あり。白15まで白かなりのポイント。

        黒26ツメに白補強トビなら無難だが白27は気合。黒28に

        白29もこう打ちた所。現時点では左下白取っても黒は

        間に合わない。白に良き流れの場面でした。

白薄みはじわじわ狙うのが最良

         普通が一番ということ碁は結構あります。中は何もせず

         黒1オシが良かった。白2には黒3とトビツケて競る。

         黒Aが左右の白一団を狙っている感じ伝わると思います。

         白は実戦のように右辺打つ余裕無かった。

         ◎お疲れ様でした。来年もよろしくお願いします。

          良いお年をお迎え下さい。