手厚さからの積極性を(完)

右辺配慮も兼ねた効率良き一手連絡

     黒1コスミが最適でした。これで天元とガッチリ繋がって厚い。

     『一間+コスミ』は相性良い形で白からワリコミされても大丈夫。

     ◆なお黒Aは上のワリコミを狙われるので少し劣ります。

     続いて白2進出なら中は気にせず黒3と囲いましょう。白2で右辺に

     入って来れば中に厚い石あるとの気持ちで強く戦います。

実戦は手厚い打ち方・打ち込みへの対処

     『日本囲碁体系』『御城碁譜』他にもたくさんI氏から伺いました。

      院生の頃学んだ・お世話になった棋書です。実戦の黒1~5は

     影響を受けた【手厚さ】と感じました。ただ右辺遠慮なく入られます。

     この進行も黒悪くはない。しっかり代償を得られるかで評価されます。

     黒aは×断点二つあり危険。I氏が選んだのは・・・

手厚いがあまい

     黒1ツギ正解。白2とツケたときに黒3ともう一度ツグのは・・・

     手厚いとは言えずあまい。黒3は強く黒10とオサエる一手。

     白が生きる作業をしたときに断点を守るか考えるところ。もしツグなら

     黒4カケツギがベスト。黒5カタツギは次点。白4キカシは補強になり

     嬉しく以下白12までのワカレは8:2で白良しのワカレと判断します。

     ◆黒9で黒10と切っていたら(白低位になる)6:4でした。   

     ただ検討のときに質問したら・・・素晴らしい答えを。次の図です。

I氏幻の好手段

    「上辺白の弱点見えますか。」と伺ったらサラリと黒1。正解です。

    勘は良いが後が続くかなと白2、4と出切ったら少し考慮され黒5

    アテ、白6ツギに黒7のカケツギも示されたのです。力弱い方と

    思っていたので驚き。聞くと私の前に打った某プロにこてんぱんにされ

    【本局は先ず守り、補強】と力出すのを控えていたそう。なおこの後

    白aなら黒bと受けます。黒イと黒ロが見合いで白大変。惜しかった。

黒が厚くない進行(切りが大事)

    白10まで実戦。白大ゲイマ・二間は薄い手で黒から分断が可能だが

    回りの黒も少し薄く感じませんか。それは右下白2・4・6の影響です。        

    裂かれ形になったのは良くない。黒3で切って戦えました。

    

切って戦って厚さ目指す

    黒1と切る。瞬間5の断点気になるが黒3、5が『アテてツグ戦いの筋』

    以下白10まで想定の一つ。ここで黒11とモタレ攻めしたらあっぱれです。

    前の図は無難に見えるが白が一方的に繋がっている。比べこの図は白に

    心配が生じているのが大きい回りの黒薄み突く余裕与えないことが

    黒の厚さに繋がるのです。最後左上隅▲に触れましょう。

封鎖された隅の石は断点やハサミツケ2点以上あると要注意

    部分図で解説します。後半白イ、黒ロ、白ハ、黒二、白ホとなりました。

    このとき隅に白×ハサミツケ味が生じています。ただ弱点一つなので黒に

    正しく対応されたら手にはなりません。少し経って白へ、そして白トが

    加わりました。ここで実戦経験豊富な方は白×ノゾキが見えます。

    一般に【封鎖された隅は弱点二つ(ハサミツケ・断点)あると味悪い】

    この形は味ではなく危険。黒1か黒Aに即手入れが必要です。

    ◎お疲れ様でした。これからの対局に役立つ有益内容だったと思います。

    次に機会あれば積極性を前面に。お待ちしています。