伊東氏二子局・様々なキカシとその是非

    浦安碁会幹事の伊東さんとの二子局。この碁のポイントはキカシ。

    得か味消しか悩むこと多い。黒の追及したキカシの是非。先ず画像を。

白番次の一手は?

     白番で出題。どこに打ちますか。要点占めて気分良かった。解答は後ほど。

立ち上がり・黒番

        白9打ち込みは逃せない。他へ打つと黒10トビが良過ぎ

        ますから。トビ合いになり次に黒Aトビなら至って普通。

        強気なら黒Bケイマですが・・・

力関係は少し白が強い

        黒1ケイマ白2ツケコシで反撃します。白6まで

        型ですが白▲黒■と見比べると石数的にも白が勝る。

        この戦いは白が強いと判断します。実戦は・・・      

   双方キカシ出現(黒1白4黒7白8

           実戦は黒1白2とキカシて黒3トビ。この交換を伊東さんは

        得と見ています。続いてお返しの意味も込め白4黒5キカシ。

          絶対得との自信はないが将来黒一団を攻めることになったら働く

          と見ました。この後の展開でキカシの是非問われそう。

        黒7は白イやロ受けなら隅にコウ手段狙えるとの意図。

        白8受けは最強だが左右辺にいろいろ味が残っています。

        白10は令和開発の様子見。対し堅く受けなら黒aやb、

        反発なら黒cやdが多い。黒eツケ反発が実戦。

中の要点二つ占め白が主導権

        堅く受けが無難な場面でしたが黒1、3反発から戦闘

        勃発。黒の主張は「上辺白×薄いでしょ。」です。

        白の言い分は『中の黒へ影響しますよ。』となる。ただ

        白16、18の要所二つ占め主導権は白へ。黒7では・・・

×ノゾキ・初の悪手

        黒×ノゾキは白を強化する利敵行為でした。単に黒1の

           ハネが正しく白2ノビとなる。そこで黒3が静かな好手。

        黒イやロを含んでいるので白は次の手が難しかった。       

要点占める案

       検討で浮かんだ案。黒1、白2だけで隅を軽く見る発想。

       黒3要点を占めます。もし白4切りなら黒5、7と処理し

          白8黒9と連絡出来ます。黒3は▲一団への頼もしい応援。

       次に黒A打ち込み、右辺黒B好点、左下白一団への黒CやD

       攻めにも繋がりそう。この図なら右上黒反発は成功でした。

  振り変わり。この後どうするか【黒番】

        勢い・気合いろいろあり黒1、白2となったのが実戦。

        黒の利益は白aをカカえて▲一団安定させ白bも無力化。

        白の利益は黒×捕獲で厚くなったこと(は取れていない)

        前図から期待した利益は得られなかったと少々不満(下地

        ◆ここで黒が最善に打つとどうなったかを次図で。

先手で利かして立ち回る図

        黒1トビで二子連絡することが出来る。白8まで必然。

        キカシはここまで。そこで薄い▲一団へ一発お見舞いの

        黒9『耳』へ打つ。黒a防ぐ白10くらい。そこで大きい

        右上黒11へ回ります。次に黒bがほんの少しですが楽しみ。

 

           形勢判断すると白地は上に約20目、左上隅13目の計33目、

        黒地は右上15目、左中8目で計23目。確定地は白が10目ほど

        多いけど黒は左下と右下シマリ・下辺も勢力。白弱石負担も

        あるので黒有望だったと思います。この図で満足したかった。

        ◆実戦はもう少しだけキカそうと・・・

白イ~二受けならキカシでお得

        黒1ツケが実戦。この手は先手で放置すると白一子が

        取られてしまう。白イ~二受けなら問題はなかったが・・・

うっかりのグズミ受け

        形悪いが白2グズミが反発の受け。うっかりされたようです。

        黒3よりないが白4に黒5が省けず後手になってしまった。

          続いて逆ヨセと右上黒地削減兼ねた白6がデカい(約20目)

                             伊東さん  苦吟・後悔されていました。その気持ちわかる。

         『ほんの少しキカシて○○へ向かう』リズムの乗れる反面、

        誘惑に負けて思わぬ損を被ることは本当に多い。

        黒7ツケコシは打開策だが白8、10。黒が堅固なので白は

        真面に相手せずかわす。局面は流動しています。

        ◎私は要所占め勝ちたい碁だったので満足感。伊東さんは

        悔しさ残る一局だったでしょう。早速皆様のご都合をまとめ

        来月の浦安碁会日程を決められ報告頂きました。

        4月14日(日)の浦安碁会もよろしくお願いします。